今年の読書(21)『さまよう刃』東野圭吾(角川文庫)
3月
16日
5年前に妻を亡くして<長峰重樹>は一人娘<絵摩>と過ごしていましたが、友人と出向いた花火大会の見学に出向いたまま帰宅しませんでした。
花火大会の帰り、未成年の不漁グループに拉致され、蹂躙された末、川に捨てられたところを発見されます。
謎の密告電話によって、<長峰>は犯人の一人のアパートに出向き侵入、<絵摩>が強姦されているビデオテープを発見、気も狂わんばかりになっているところに犯人の<伴崎>が帰宅、<長峰>は部屋にあった包丁で殺してしまいます。死ぬ間際<伴崎>は、もう一人の犯人<菅野>に関して、「長野のペンション」という言葉を残して息絶えます。
娘の敵討ちに燃える<長峰>は、趣味である猟銃を持ち出して長野に向かいます。
殺された被害者の苦しみに対する少年法の量刑の軽さを突いた構成で、父親としての気持ちがよく理解できるだけに、結末はあまり納得ができるものではありませんでした。