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- 今年の読書(36)『天命の扉』遠藤武文(角川文庫)
副題として<県警捜査一課・城取圭輔>とあり、また長野県警があまり小説には登場しない舞台設定ということで読んでみました。
事件は長野県庁で行われてた県会の定例議会中に停電が起こり、演説中の議員が射殺されますが、閉鎖された議場と傍聴席の中での事件だけに逃げた者もおらず、また凶器も発見されません。
議会開会前に県知事に不可解な短歌のメールが届きますが、同じ内容のメッセージが、射殺された議員のポケットからも発見され、<城取>は捜査を始めます。
<城取>は過去にパチンコ店強盗事件犯として検挙した<竹内>が、冤罪ではないかとの不安を持っています。今回の事件も、その彼がアリバイに使った善光寺の本尊に絡む宗教や歴史的記述が多く、正直ミステリーに必要な内容だとはおもえず、また犯人の動機自体もどうかなという設定でした。
善光寺の歴史性を楽しむにはいいかもしれませんが、刑事を主人公に据えた小説としては、評価できる内容ではありませんでした。
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