『漂白』<警視庁失踪課・高城賢吾>堂場瞬一(中公文庫)
2月
7日
<高城>と<醍醐塁>と<明神愛実>は、捜査の打ち上げで一杯呑んだ帰り、ビル火災に遭い、<明神>はバックドラフトに巻き込まれ脳震盪を起こして入院する羽目になります。
その火災現場から身元不明の焼死体が二体発見され、一人はマスターの<高嶋>だと判明しますが、もう片方の身元が分からず、失踪課として<高城>たちが動き出します。
身に着けていたペンダントから、失踪届が出ている流行作家の<藤島憲>ではないかと捜査を進めるのですが、やがてその焼死体は<藤島>の高校のときの同級生<花咲光春>だと判明、以前として<藤島>の行方は分からないまま物語は展開していきます。
今回は作家という著者自身の世界に関わる内容が絡み、作家と出版社の関係を主軸として、<高城>に「ミステリーなんか興味がないな」と言わしめ、さりげなく著者自身の<刑事・鳴沢了>シリーズの主人公に対して「鳴沢は、あまりいい噂を聞かない刑事」との文中の台詞に、思わず苦笑しながら読み終えました。