ファルコン昆虫記(610)ニオイバンマツリの花に【ナガサキクロアゲハ】
5月
30日
黒い大きな翅でしたので、 「クロアゲハ」 かなと思えたのですが、<尾状突起>がなく、下翅に白い筋がありましたので【ナガサキクロアゲハ(長崎黒揚羽)】のメスだとわかりました。
東南アジア・インドネシアから、中国・台湾を経て日本に分布しています。
江戸時代には名称通り九州以南に分布が限られていましたが、最近までは近畿以西に分布、温暖化が進むのに従い、現在では神奈川県西部の太平洋側にて確認されています。
成虫の前翅長は60~80ミリと、日本産の蝶では 「モンキアゲハ」 やマダラチョウ科の 「オオゴママダラ」と並ぶ大型で、メスはオスよりも大きい体形です。
アゲハチョウ属の中では珍しく<性的二形>が顕著で、オスの羽はほぼ全面が黒色ですが、メスは後翅に白く細長い斑点が数個並んでいます。