6話の短篇集が納められていますが、普通は収録作品の中からタイトルが決められていると思いますが、これはそうではありません。
作品を純文学やミステリーなどに分けるのはあまり好きではありませんが、この6話の短篇は、ジャンル分けができない内容で、また分ける必要もないほど完成された構成でした。
どの短篇にも主人公に対抗するようにキーワードとして<S>なる人物が登場、語り手は「私」もしくは「僕」で、心の葛藤や動きが作品の面白さを高めています。
わたしの文章力では、この驚くべき展開の凄さを伝えるのは至難の業で、ぜひ手にして読んでいただきたい<道尾>ワールドです。
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