<佐藤雅美>は、綿密な時代考証による江戸時代の風俗や世相を調べ、社会制度の正確さ等、安心して読める作家の一人です。
特に町奉行制度や渡世人の裏社会、医学・学問の分野に詳しく、これらの題材を織り交ぜた作品群は、雑学を超えた楽しみで読めることができます。
今回の『町医 北村宗哲』も、渡世人崩れの医者<宗哲>を主人公に据え、岡っ引きの<和吉>を脇役に、8話の短篇が収められています。
<宗哲>は、妾の子供として生まれましたが母親が11歳の時に他界、父の元に引き取られますが、本妻や兄弟からのいじめに遭い、15歳の時に医学館に学び寮に入りますが、父親も亡くなり仕送りが打ち切られてしまいます。
医学館にての勉強を続けられなくなり、途方に暮れていたところに幼馴染みの<惣吉>と出会い、やくざの通称<青龍松>の世話になった経歴を持っています。
短篇ひとつずつは独立した話しですが、昔の渡世家業を引きづりながら、町医としての立場で人情話が語られています。
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投稿日 2013-11-13 07:38
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2013-11-13 16:48
ワオ!と言っているユーザー