今年の読書(13)『それいけ!平安部』宮島未奈(小学館)
3月
11日
大人気作品『成瀬は天下を取りにいく』の<宮島未奈>が、高校を舞台に平安時代の心知るために立ち上げた「平安部」の5人が仲間たちと青春を謳歌していく『それいけ!平安部』(2025年4月16日刊行)です。
県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった「平尾安以加」から「平安時代に興味ない?」と「牧原栞」は声をかけられます。「平安部を作りたい」という「安以加」の熱意に入部を決めますが、新部を創設するには5人の部員が必要でした。あと3人集めるためにクラスメートから上級生まで声をかけ、部員集めに奔走します。
5人の部員は、平安時代大好きな「平尾安以加」(1年5組)、赤染衛門似の「牧原 栞」(1年5組)、中学まではサッカー部の「大日向大貴」(1年2組)、元百人一首部の幽霊部員「明石すみれ」(2年1組)、元物理部 イケメンの「光吉幸太郎」(2年3組)です。
既存の集団に居心地の悪さを感じている、中学まではサッカー部、元百人一首部の幽霊部員、元物理部 イケメンで周囲から違った扱いを受けるなど、学校の淵の存在のメンバーが集まります。「平安部」は、友人はいるが、どこにも属せなかった彼らの居場所になります。居場所を見つけた彼らは、平安な日常に満足しています。
本書では、熱血あふれる学園ドラマ性はありませんが、地味な日常には、目を凝らすべき小さな起伏や細部があります。本作はそういう陰影を捉えています。平凡な日々に違う光を当てたエンターティナメントとして楽しめた一冊でした。









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