先日紹介した 「葵の上」 と同様に、<紫式部>の『源氏物語』に登場する第三部「宇治十帖」の中心人物である【薫の君】と名付けられた品種です。 <薫>は本名ではなく、生まれつき体から得も言われぬ匂いを帯びていることに因んで名づけられ、物語では<光源氏>の次男となっていますが、実は<柏木>の長男です。 この【薫の君】は、「肥後系」の品種で「六英咲き」、紫地に濃い紫色の筋がわずかに見てとれ、「アイ」としての黄色は鮮やかで、その周縁部は内側に花皮が巻いています。