戦後の自転車ロードレース界を牽引し続けてこられた森 幸春(もり・ゆきはる)さん。
昨年の夏、首都圏での練習走行(山登り)タイム基準!?!的ルート“ヤビツ登り”
そこで、とんでもない記録を出されていた。
現役プロロードレーサーでも真剣に登っても30分台を出すのは、楽ではないだろう。
そんなコースを還暦過ぎた森さん・・・37分で登った、と!!!
その話を教えてくれた若者、森さんを少し知る僕に「喝」を入れてくれたか。
昨今、体調不良で自転車に乗れない僕への「活」であったろうか!
すぐさま、森さんに連絡、又ご一緒に走らせて頂く予約をしていた。
だが、昨年末に病魔に襲われ、膵がんと判明。
判明後も手術の道を選ばず、食事療法等で戦っていた由。
(知らなかった。誰も知らせてくれなかった。。。)
日本のロードレース黎明期よりトップで走り続けた偉大な競技者。
僕は、あえて「鐵人」と呼ばせて頂きたい。
鐵人の戦歴は、’80~’90のロードレース史で常に上位であった。
本場・西欧に果敢に挑戦した伝説的人物でもあった。
我々は、アマンダの千葉巨匠が勧めるクロモリパイプ愛好者だが、
鐵人も同様であった。昨年の記録もクロモリフレームでの記録。
トッププロが、使い捨てのように使うカーボンフレーム。
そこには、ビジネスが絡むのである。
性能的には、鐵フレームは、カーボンに比べても遜色ない。
ヤビツを知る自転車乗り、技術・体力もさることながら・・・、
鐵フレームを認識せよって、鐵人は言っているのかもしれない。
1951年横浜生まれ。
1980年国体ロードレース優勝以来、20年近くロードレース界を牽引。
シクロクロス界でも先駆者であった。
レースから引退後も「生涯現役」を貫き自転車に対しておられた。
森鐵人が好んで走行されてた、静岡県側、南アルプス麓、山岳林道
これから先何年掛るか分からないが走破し、師を偲びたい。
4年前、鎌倉・金沢周辺の練習コースでの森さんの坂道フォーム。
身辺の坂道でも十分練習はできる。
否、アップダウンを繰り返す方が効果的なのかもしれない。
平地走行・山登りだけしていてもライディングフォームは、完成しない。
ハンドルを持つ(抑えポジション)親指の位置が重要であることを思い出す。
走行後・・・参加者の若者に丁寧に解説されておられた。
当日程度の坂(距離・斜度)であれば20?/h位で走れれば。。。とのご指摘!!
当日ご一緒した仲間、彼等の実力はかなり高い。
そんな彼らでも・・・森さんから感化をうけた、“森マジック”と呼んでいる。
畏敬の念をもって・・受けた感化を己の中に繋ぐこと。
“楽しむ走行”に繋がっていく。
今一度、ご一緒させて頂きたかった。痛恨の極み。
謹んでご冥福を祈り、感謝の念を表したい。
森 幸春(もり・ゆきはる)、2014年4月2日15時16分逝去。
訃報を知ったのは、4月7日のことだった。
親しい自転車仲間、僕の身を案じて知らせてこなかった。
我が身より歳下の友が逝去・・・耐え難いことだ。