《襍草・/・古往今来9》春蘭

《襍草・/・古往今来9》春蘭



シュンラン(春蘭)ラン科(Orchidaceae)日本固有種
別名;ホクロ, ジジババ, オジーオバー
学 名; Cymbidium goeringii (Rchb. f.) Rchb. f.
自然分布;北海道・本州・四国・九州・琉球/朝鮮半島・中国・台湾。

地下に太い根が何本ものび、菌根と呼ばれる。なかに菌糸(細い糸のようなもの)がある。
これで栄養のやりとりをして成長する。葉は濃い緑色で固く、ふちに小さな鋸歯がある。
花は薄緑色で、真ん中にある唇弁は白く紫色の斑点がたくさんある(このことで別名ホクロという)。
またの名をジジババ、オジーオバーとも云われる。
花を横から見ると、真ん中から雄しべと雌しべがひとつになったずい柱がつき出ている。
ずい柱のすぐ下に唇弁があり、ずい柱はおじいさん、唇弁はおばあさん!!
で、2人が抱き合っている姿に見える。おじいさんの頭に髪はなく、背中が曲がっているように見える。
**研究者ノート(筑波大・遊川知久)**
里山の春を告げるシュンラン。セミのような、ちょっと変わったライフスタイルをご存じでしょうか。
種子は発芽しても、葉を出しません。地下に潜ったまま、イモムシのような節のある茎を伸ばし続けます。
光のない地下で育つのは、生育に必要な栄養を、茎に入り込んだ菌からもらっているからです。
そして数年後、満を持して初めての葉を地上に広げるのです。
日本全国、そして朝鮮半島、中国、台湾の、明るい落葉広葉樹林やアカマツ林に見られます。
* * *
観賞用として庭植え、鉢植えで利用される。
つぼみは生食やてんぷら、酢の物などに用いられている。
また古くから、おめでたいときの蘭茶(蘭花の塩漬けを入れた)として用いられている。

春蘭と似た花にズベンラン(豆弁蘭)がある。 ラン科  学名:Cymbidium goeringii
シュンランより小さな花で肉厚。中国雲南省の高原が原産。中国では「翠緑」とも呼ばれている。
里山で春蘭を見つけた時、ひょっとしてズベンランかと思ったが!?!未だ野ではみたことがない。

4月8日「泉の森」(4月9日誌)
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《襍草・/・古往今来8》碇草

今年みた中で最も印象に残った色... 今年みた中で最も印象に残った色のイカリソウ。


イカリソウ(碇草・錨草) メギ科(Berberidaceae )
学名:Epimedium grandiflorum Morr. var. thunbergianum (Miq.) Nakai

高さ20-40cmの夏緑性の多年草。葉は、広卵形で薄い紙質の小葉を出す。
成長した葉の表面は無毛。裏面には微毛があり多くは粉白色を帯びる。
花は直径4~5cm、葉出より早く咲くことがある。
花びらの基部から距と呼ばれる細い管が四方にのび、先の少し膨らんだ部分に蜜を持つ。
明るい雑木林や土手の草むらにかたまって生えている。
花色は白・クリーム・淡紅色・淡紫色で船の碇・錨に似ていることで名がついた由。
特徴的な花が咲いた後、夏や秋には三つまたに枝分かれする葉が見られる。
自然分布;北海道(西南部)・本州。 日本固有種。

薬草として利用されている。強壮、強精、血圧低下、健忘症防止等々などと多用される。
ユンケルに使われているとか、酒として飲まれることもある由。
放杖草・棄杖草とも呼ばれ、これを飲めば元気になり老人にも杖はいらないという意味だ。
画像の花は、かなり赤が濃い様に思う。珍しい色合いだ。
4月3日「泉の森」(4月8日誌)
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《襍樹・/・古往今来7》草木瓜

春咲きの単調色な林床の中で実に... 春咲きの単調色な林床の中で実に目立つ・クサボケ!!



クサボケ; 別名(コボケ, シドミ, ノボケ, ジナシ); バラ科(Rosaceae)
学 名 ;Chaenomeles japonica (Thunb. ex Murray) Lindl. ex Spach

落葉小高木。4~5月、朱赤色で直径2.5cm程の花をつける。
花びらは、5枚。 果実は直径5cm程の球形で黄色に熟す。
自然分布;本州(関東以西)・四国・九州
ボケやカンボケは品種改良された園芸種が多いが、、。
この草木瓜は、日本固有種。日当たりのいい野山に育つ。
実は渋くて食べれないが薬用にされる。又、果実で果実酒を作る。
実がウリに似てるので「木瓜」をモケと呼び、これが変化してボケになったと云われる。

今年、数度の大雪で若い枝がより地面に近づき這っているように見えた。
3月30日・4月2日「泉の森」(4月7日誌)
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《襍草・/・古往今来6》喇叭水仙

《襍草・/・古往今来6》喇叭水...


ラッパスイセン(画像は、園芸種のキングアルフレッドか?)
らっぱすいせん(喇叭水仙) ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
学名:Narcissus pseudonarcissus L.
自然分布:西ヨーロッパからイギリス
スイセンの原産地同様に地中海沿岸が原産地、日本には中国を経て江戸、あるいは鎌倉時代に渡来。
副花冠が長くラッパ状になる。ヨーロッパで品種改良された多くの園芸品種の原種となった。染色体数2n=14.
3月から4月ごろ芳香のある花を咲かせる。一茎一花で普通の「水仙」に比べ副花冠が長くラッパ状になる。
イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Society)の分類では、
副花冠の長さが花弁と同じか、それ以上のものをらっぱすいせん(喇叭水仙)と定義している。

色々な花がみられる様になってきた・・・春爛漫!!
(4月6日誌)
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《襍樹・/・古往今来5》三椏

泉の森・民家園庭2014・4・... 泉の森・民家園庭2014・4・1


ミツマタ(三椏)  ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae
学 名;Edgeworthia chrysantha Lindl.

落葉低木。高さ約2m。夏頃枝の端が3つに分岐する。葉は長楕円形または被針形。
花序は多くの花からなる。葉が落ちた後黄色の花を咲かせる姿は見事。果実は初夏に熟す。

古くから和紙の原料としてコウゾ(楮)と共に用いられてきた。
樹皮はしなやかで引っ張っても切れにくい。
春、最初に咲く花、マンサクとこのミツマタ。昔から庭木に多様されてきた。
自然分布;中国南部からヒマラヤ日本には慶長年間にきたといわれている。
観賞用または繊維植物として栽培されている。
名前の由来;枝が3つに分かれていることからに由。

今年は、なかなか咲かなかった??小さな虫が、蜜でも吸いに来たか?
(4月5日誌)
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《襍樹・/・古往今来4》鶯神楽

泉の森;2014・4・4 泉の森;2014・4・4


ウグイスカグラ(鶯神楽) 別名;ウグイスノキ
スイカズラ科 Caprifoliaceae
学 名;Lonicera gracilipes Miq. var. glabra Miq.

ウグイスの鳴く頃に花が咲くので・・花名がついたとか!!

落葉低木。高さ1.5-3mで分枝が多く、普通は無毛である。
若い時は紅紫色で花は春に葉がでると同時に葉液から細い花枝を出し1つずつ垂れ下がる。
液果は長さ1cm、はじめは緑だが鮮紅色に熟し、甘味がある。
子供の頃「サガリンコ」と言って赤く熟した実を食べた。
「グミ」と呼んでいる地域もある。
実の大きさのわりに種子が大きくほんのりとした甘さがある。
開花時期は4-5月頃で6月頃実をつける。
自然分布;北海道(南部)・本州・四国・九州 (日本固有種)

今年初めて鶯の鳴き声を聞いた。
(4月4日誌)
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《襍草・/・古往今来3》関東蒲公英

泉の森2014・3・23 泉の森2014・3・23


カントウタンポポ
学 名;Taraxacum platycarpum Dahlst.
キク科タンポポ属 Asteraceae/Compositae

関東でごくごく普通に見られる蒲公英が、その実はほとんどがセイヨウタンポポである。
繁殖力が強い西洋蒲公英が、生活地周辺を専有している。
長いこと人間の手が加わっていない自然植生な里山・森には、日本蒲公英が多くみられる。
我々は、日本蒲公英=関東蒲公英と呼んでしまっているが、、、。
蒲公英は、20種類以上もあって、素人では見分けがつかない。
関東蒲公英と西洋蒲公英の違い程度しか分からないので単に「蒲公英」と云ってしまう。
又、関西より南地方の蒲公英・関西蒲公英は、学名的に日本蒲公英。
呼び方ってややっこしい(日本蒲公英;学名:Taraxacum japonicum)
更には、九州・中国・四国の人は、殆どの人がタンポポ=シロバナタンポポを指すとか・・・。
カントウタンポポの解説によると
葉は長さ20-30cm、披針形で羽状深裂する。花茎は上端に長毛を密生させ、花時に葉と同長か短い。
頭花は3.5-4.5cmで、そう果は長さ4.5-5mmで淡黄-黄褐色。
ヒロハタンポポとエゾタンポポとの交配種と考えられているが、両性生殖で独立した種である。
主な分布は、関東地方・山梨県・静岡県。
春の食材でも在る。若葉は油炒め、おひたし、汁物、花は天ぷら、根はキンピラとして食する。
外来種のセイヨウタンポポも同様に食べられる。
(4月3日誌)
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《襍草・/・古往今来2》カタクリ

泉の森2014・3・23 泉の森2014・3・23


暫く前、未だ自転車(ロードレーサー)ブームになる前の頃、
秋田県田沢湖に幾度となく訪れた。
その地でサイクリング企画をされているT女史の手伝いも兼ねて。
田沢湖から、角館に向かう途中、八津にある「かたくり群生地」
西明寺栗を栽培する栗林の林床に群生していた。
地元では「カタッコ」「カタンコ」と呼ばれている。
この群生地20ヘクタール(東京ドーム4.2個分)もある。
栗の木の徹底した肥培管理で堆肥が群生に適した栄養分になっている由。

カタクリ(片栗) ユリ科
学名:Erythronium japonicum Decne

自然植生では、発芽してから開花するまでには約8年かかると言われる「カタクリ」。
種子はアリによって運ばれる。
里山に点在する「カタクリ」大切に見守りたい。
(4月2日誌)

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《襍樹・/・古往今来1》辛夷。

泉の森2014・3・30 泉の森2014・3・30


古往今来(こおうこんらい)
昔から今に至るまでずっと変わらぬ自然が残っている場所を意味したい。
こんな事を思って「古往今来」と1年を通して植物を思ってみることにした。
日記的に毎日(誌)としたいが、ずぼらな性格、どこまで続くか??
第1回め、しょっぱなは、特異な識別できる樹の花、辛夷。
(4月1日誌)

辛夷は、花の根元に1枚の葉が付く。この1枚の緑色の葉に春を感じる。
身近な森の中、若いシラカシ・コナラ林の外側に1本だけ辛夷の樹が出迎えてくれる。
木蓮か、辛夷か樹木だけでは判断しがたいが、1枚の葉で識別できる。
コブシ(辛夷) モクレン科
分類:木・落葉 学名:Magnolia kobus



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《襍・/・囈》六気。

《襍・/・囈》六気。


早くも「暦」の上では四月に入ってしまった。同時に年度始め月。
今年度のブログを如何なる「態」にしようか?などと思っている内に3日に。。!
四月の異名に「りっき(六気)」なる表現が在る。
* 天地間に在る六つの気。陰・陽・風・雨・晦(かい)・明。又、寒・暑・燥・湿・風・火。
* 人のもつ六つの感情。喜・怒・哀・楽・好・悪。
以上、ネット辞書に出ていた意味。自然・気候・感情、これ等と植物を重ねて見よう。

年度末・始め・・・日本は4月始まり。それ自体は、一向にかまわないのだが、、、。
受験、学校等の年度始まりは、9月始まりにして欲しく思う。そしてセメスター(2期制)が良い。

3月末~4月初めの花イメージは、桜が一般的だ。
へそ曲がりの己は、「辛夷(こぶし)の花」をイメージする。
辛夷は、花の根元に1枚の葉が付く。この1枚の葉に、4月初めをイメージするのだ・・・。

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