大昔より、現東京周辺は武蔵の国と呼ばれていた。 其の名残、否、国木田独歩の「武蔵野」を思い所要の度、皇居周辺を散策する。 “武蔵野=雑木林”その景観は知る由もないが、なんとなく想像できる。 この100有余年の間で東京の自然環境は、大きく変化するを余儀なくしてきた。 第二次世界大戦での東京大空襲での変貌、復興は、たいへんであっただろう。 被災した都市空間は壊滅的であったようだ・・・!?! そんな被害の中で生き残り、更により良い林相を形成し続けてる「神宮の森」。 また、周辺の御苑(皇居外苑)・神宮外苑の森、隣接する赤坂御用地(赤坂御苑)、 一般公開されていないがこの70年余りで本物の林相が形成されているようだ。 世界に誇れる、風土に合った自然の森が、東京にはある。 又、荘厳な鎮守の森という概念で捉えてみても「神宮の森」は、素晴らしい。 造園家や学識者達が描いた森林造成計画は、緻密で「日本的風土」を今に見せてくれている。 林苑の創設より最後の林相に至るまで変移の順序(予想)まで記録にある。 古来より培われた日本的造園技術の高さを示すもので、予想は的確に的中し見事だ。 首都東京の中で「日本の原風景的自然環境・景観」を見せてくれる皇居から明治神宮の森、 今後100年の計で日本を代表する「自然環境・景観地域」街並み景観を充実させて欲しい。 2020年には東京オリンピックが開催されることでもあるし。。。 そんな折、先日、 国立科学博物館が「フキアゲニリンソウの発見」を発表した(五月十六日)。 国立科学博物館の調査で、皇居内でニリンソウの新種が見つかった。 吹上御苑で見つかったので「フキアゲニリンソウ」と名付けられた由。 ニリンソウは、里山等で普通に見られるが、新種のニリンソウは、背がとても高い。 拝見出来る機会を楽しみにしたい(無理だろうが^^)。 オリンピックがらみでもないが、東京駅から皇居に向かう道路に花壇を提案する。 よく街なかで見かける園芸種とか外来植物は、避けて。。! 皇居を中心に周辺道路に日本固有種の野草花壇を是非に望みたい。これぞ「日本らしさ」。 皇居外堀の土手には、野草がたくさん見られる。 東京駅から丸の内界隈を、樹木と野草の街並みとしてほしく、切に望みたい。 日本の顔という場所だ。日本の花を紹介するのにも良い。期待したい所である。 日本の中心地、皇居に新種の花が静かに生きずいていた。里山の顔と言えまいか。 嬉しい発表、在来種野草は、「和」の象徴と思って止まない。 5月18日誌「5/16 国立科学博物館発表植物」
春の野では、色々な草花が魅せてくれる。 偶然に開花前の野薊の蕾と出会った。 自然の神秘を思わせる風貌、葉が花を守っているように見える。 咲き誇る姿もよろしいが、この蕾・・宝石のように妖艶に映った。 ノアザミ(野薊) キク科(Asteraceae/Compositae) 学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC. 50-100cm高になる多年草。春に見る薊はこの種だけ(園芸種は別)。 葉の表面にまばらの毛。裏面の脈状にも毛がある。 直径4-5cmの頭花は枝の先に直立してつく。 総苞は幅2cm内外、片は6-7列で外片は短い、先は短い刺針があって直立する。 背部はふくれて粘着する。花冠は長さ18-22mmで狭筒部は他部より短い。 自然分布:本州・四国・九州 5月17日誌「大和市・泉の森5/11」
ニガナ(苦菜) キク科(Asteraceae) 学名: Ixeridium dentatum 別名:ウマコヤシ 古名;つはひらくさ(都波比良久佐) 日本各地の山野の道端、草地等、日当たりの良い所に見える。茎は高さ約30cm。 細長い根生葉はさまざまに切れ込むことがある。茎葉はやや短く、 基部は毛状の鋸歯があり、耳状になって茎を抱く。 茎の先端で枝分かれし、集散花序に黄色の頭花をつける。 頭花は1.5cmぐらいで、普通5個の舌状花からなる。 葉や茎を切ると白い乳液をだす。このことが花名の由来。 変異が多く舌状花の数が多いハナニガナ(花弁7枚、通常5枚) 又、水田の畦に生え、走出枝を出すハイニガナもある。 同属に「ジシバリ」「シロニガナ」「ノニガナ」。 オオジシバリと共に民間療法で副鼻腔炎、胃炎などに用いられている。 5月16日誌「大和市・泉の森5/11」
マムシグサ(蝮草) サトイモ科(Araceae) 学名:Arisaema japonicum Blume 【画像の花は、ヒロハテンナンショウ(広葉天南星)かもしれない?】 コウライテンナンショウ、ホソバテンナンショウ、アオテンナンショウ等がある。 判断区別が難しいので単に(蝮草)とする(花の茎が、「まむし」模様)。 自然植生: 北海道~九州の明るい森林や谷沿いのやや湿った林床に見える。 春に地下の球根から茎を伸ばして仏炎苞を形成、その中に花序がある。 葉は2枚で、多数の小葉に分かれ、花の苞は緑色~褐紫色を帯びる。 果実は秋に橙色に熟し、トウモロコシ形状の実となる。 5月15日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
フタリシズカ(二人静) センリョウ科(Chloranthaceae) 学名: Chloranthus serratus (Thunb.) Roem. & Schult. 山地の林床に見える、高さ30~60cm位の多年草。 ヒトリシズカよりも大きく花穂が2つと云われるが、実際には1~5本。 静御前とその亡霊の舞姿を2本の軸にたとえたことに由来する由。 短い根茎から節ある茎を数本直立させる。葉は対生し、広卵形。 枝先に数本の花序を出し白い小さな花を多数つける。 花の後に茎の下部から閉鎖花をつけた花序を出す。果実は球形で淡緑色。 自然分布:北海道・本州・四国・九州、中国(温帯-暖帯) 小さな花に、同じような小さな虫(昆虫?)が・・・目が点になった。 5月14日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
レンゲソウ(蓮華草) マメ科(Fabaceae) 学名:Astragalus sinicus 別名: レンゲ、ゲンゲ(紫雲英) 花びらに近づいて見ると、一つ一つがマメ科特有の花形をしている。 子供時代、春の田畑は絨毯を敷き詰めたように蓮華草は咲き誇っていた。 中国原産の植物。江戸時代に飼料や食料として渡来した由。 マメ科の植物は、根に根粒バクテリアが寄生して丸いこぶを作る。 これが空気中の窒素を固定し天然の肥料となる。経験則でわかるか!! 緑肥(りょくひ = 草肥:くさごえ)として、又、牛の餌に用いられた。 更には、休耕田の雑草防止策、蓮華草を枯れぬうちに水に入れ、 強力な有機酸で雑草を枯死させていた事もあった。 だが、アルファルファタコゾウムシが発生する事もあり最近は聞かない処方だ。 蓮華草蜜は美味しい。 今一つの草花は、ハルジオン(春紫苑) キク科(Asteraceae/Compositae) 学名:Erigeron philadelphicus L. 別名:ハルシオン、 ハルジョオン。 花びら:7枚以上。花弁は、白色が多いがピンク色の花弁も見かける。 雑草などと呼べまい、清楚なこの姿。 ハルジオンの蕾は下向、対してヒメジョオンは上向きである。 埃や排気ガスで汚ごしているのは、人間。。! 帰化分布;本州(関東・中部)。関西以西でも見られるか?? (自分的だが見たことがない!?!) 5月13日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
里山を散策してると湿っぽい林床に色々な羊歯類が見える。 だがしかし、羊歯類を識別判定するのは難しい。 僕でも容易に識別できるのは、この羊歯くらいだろう。 リョウメンシダ(両面羊歯) オシダ科オシダ科(Dryopteridaceae) 英名:upside-down fern 別名:コガネワラビ, コガネシダ 学名:Arachniodes standishii (Moore) Ohwi. 全国各地で見られる。山地・谷間や斜面の湿った所を好むようだ。 高さは60~150cm。葉は黄緑色から明るい緑色で、3回羽状複葉。 葉の両面が同じ色をしている(群落を構成する傾向あり)。 葉柄下部に鱗片(胞子嚢・ソーラス)があり褐色で細く、胞子には葉緑体がある。 葉先から中程の葉では裏も表も同じように見える。 5月12日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
オオフサモ(大房藻) アリノトウグサ科(Haloragaceae) 学名: Myriophyllum brasiliense Cambess. 英名: Parrotfeather 別名: ヌマフサモ、スマフサモ、パロットフェザー 自然分布: 南アフリカ原産 帰化分布: 本州・四国・九州・沖縄(暖地に分布) 湖沼,ため池,河川,水路などの浅水域に群生する抽水植物(多年草)。 雌雄異株、日本では雌株だけが帰化し、径5mm前後の茎を水中に匍匐させ群生する。 葉は5・6輪生、気中葉は前兆1.5-5cm、緑白色。 水中にある葉は繊細で長さ6cm前後。花は、気中葉の葉腋に着き円筒状。結実なし。 侵略的外来種で特定外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100。 湖沼、河川、池、水路、一部の休耕田等、浅水中に群生生育する。 アクアリウムやウォーターガーデンでの観賞用、 また、国内の河川復元事業やビオトープなどに用いられた経緯がある。 切れ藻などでも簡単に繁茂、各地で大繁殖し、侵略的外来種となった。 神戸市須磨寺にある池で初めて野生化が確認され、スマフサモとも呼ばれている。 全国に分布拡大し、在来種植物の生育を妨げる、水流阻害、水質を悪化等も懸念される。 各地で防除作業が行われているが、中々効果が出ない。 オオフサモの表面は艶あるクチクラ層で保護され、除草剤の効き目は殆ど無いとされる。 はさみで切断したり掘り起こしたりすると、植物体断片が周辺に散布される。 その結果、却ってオオフサモの分布を拡大させてしまう。 現在、外来生物法にて栽培・譲渡・販売・輸出入などが禁止されている。 江戸小紋という染着物、遠目に見ると無地の布地のように見えるほど細かい模様。 江戸の庶民は、これを「粋」としていた。 先日、この藻を見て、一面・緑の絨毯といった趣を感じた。 近づくと繊細な葉は美しく、芽が整然の並んでいることに驚かされる。 特定外来生物とされているが、人の手によって招いた結果だ。 「生物の多様性」を考えさせられた。 邪魔者・物を排除すれば良いのではなく、活かす事を考えたいものだ。 刈り取り、天日干しにして、堆肥にでも出来ないものか?? 5月11日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
何とも・・楚々と咲く笹葉銀蘭と静かに数分・対話した(画像1)(^_^;)。 意識して観ているからだろうか?? 今年は、銀蘭・金蘭共に沢山の茎を拝めた。和やかな春、2014。 ササバギンラン(笹葉銀蘭) ラン科(Orchidaceae) 学名:Cephalanthera longibracteata Blume 自然分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄/朝鮮・中国(東北) 山地樹林下に生育し高さ30-50cm。茎は直立し、6-8葉つける。 葉は卵状披針形、葉脈が多く、長さ7-15cm、幅1.5-3cm、基部は茎を抱く。 苞は線形か広線形、唇弁の基部は筒状の距となる。 銀蘭に似ているが、葉の裏面、縁、茎の稜上、花序に白い短毛状突起がある。 肉眼で確認するのは困難だが、ルーペで確認できた。 ギンラン(銀蘭・画像2) ラン科(Orchidaceae) 学名:Cephalanthera erecta (Thunb. ex Murray) Blume 自然分布は、笹葉銀蘭と同じ。 茎の先に 3 ~ 6 個の白い花をつけるが、花は完全には開かない。 金蘭・銀蘭・笹葉銀蘭、かつては、身近な里山等、都市林で極普通に見られた。 近年、身近な自然環境が宅地化し、生育地が減少している。 山地や丘陵の木陰に生育。茎の先に3 ~6個の白い花を付けるが完全には開かない。 野の花達、輪唱してるやに見える。 今年ほど、かつての里山って感じにこれ等の蘭が咲き誇っているのを見たことがない。 里山自体がより良い環境になっているのかもしれない。じつに喜ばしい。。! 5月10日誌「大和市泉の森5/04」