10月
6日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の実 '10-1〟❖ ’24-280 ❖ 》

茎は直立し1m以上にもなり分枝する。茎、葉裏、果実などに短い伏毛がある。
茎の基部は木質で葉は奇数羽状複葉、小葉が15~35個つく。小葉は長さ2~4㎝。
花は長さ20~25㎝の総状花序を出し、長さ約15㎜の淡黄色の蝶形花を多数付ける。
まれに赤みを帯びる花も見られる。雄蕊は10個、互いに離生する。
花が紫色の種があり、ムラサキクララ forma purpurascens (Makino) Sugimoto という。
果実は細長く、長さ7~8㎝、種子は1列に入り、中間付近でくびれることも多い。
熟すと数珠状になり、裂開しない。種子は長さ4~5㎜。花期は6~7月。
《 泉の森で見つけた“クララ(眩草) の実!?!”❖2024/10/6❖ 》

(1)クララ Sophora flavescens Aiton
有毒の多年草.茎は直立して 1m 以上に達し,茎,花柄,葉柄,豆果などに短軟毛が多い.
上部で枝を分け,枝先に総状花序をつける.
花は 6~7 月に開花し,淡黄色でときに紫色を帯びる.
萼筒の先は斜めに切れ,萼裂片は低い.豆果は長さ 7~8cm で,所々がくびれる.
本州,四国,九州;朝鮮,中国,シベリアに分布する.
林縁や土堤などに生える.県内では山麓~丘陵地に広く分布するが少ない.
花が淡紫色を帯びるものをムラサキクララ form.galegoides (Pall.) H.Ohashi; form. purpurascens Sugim., nom. nud.
といい,稀に記録される.
§ § §
以前、つくば市内で見たクララの花(2018/06/22)。
泉の森にも居るのではないか、とは思っていたが見つけられないでいた。
探索眼(老眼か?)が低下してきたことは、実感しているが。。。!
偶然、教えて頂けた。感慨深い。感謝・感謝であった。
神奈川県植物誌2018年版に自生地として掲載されていない。
そんなことで懸命に探さなかったのかもしれない。
次の植物誌版には掲載されるだろう。楽しみに観察したく思う。
泉の森には、強靭な植物調査者がおられる。
特に女性、3名の植物観察者の活動には畏敬の念を禁じ得ない。
*
かつて、自然保護等という表現が一般化していなかった頃の話だが。
日本の自然保護の先駆者は、神奈川県である。
鎌倉の自然を守る会(会長・酒井恒博士)や横浜国大・宮脇昭先生。
日本の自然保護の先駆者、金田平先生。
こうした方々を初めとして神奈川県の自然保全は、今に至る。
§ § §
日本国内では、昔から薬草として知られている“クララ(眩草)”。
漢方では根が人参に似て苦味が強いことからクジン(苦参)と呼ぶ由。
草名由来は、根をかむと目が眩む程に苦く、眩草(くららぐさ)と言われてきた。
それを略してクララ。全草にアルカロイド(マトリン等)を含み有毒でもある。
来春の開花に出会える事を希す。 楽しみだ。
「令和陸年(皇紀2684年)10月6日、記」
10月
5日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-2〟❖ ’24-279 ❖ 》

イヌタデ(犬蓼);1年草の在来種
イヌタデは道端、荒地など、生活地でも普通に見られる。
茎高20~50cmで茎は赤味を帯びることが多い。
葉は互生、長さ3~8cm、幅1~2cmの広披針~披針形。
全縁、縁毛があり、先が尖り、基部は楔形。
葉裏に腺点があり、主脈上に伏毛がある。
長さ1~5cmの円柱状の総状花序に紅色の花を密につける。
花被は5裂し、淡紅色、花後は紅色になり痩果を包んで残る。
雄蕊6~8本。花柱は3本。
小苞は赤色、長い縁毛が多数あり、花の間から突き出る。
托葉鞘は長さ5~8mmの円柱形、先に托葉鞘とほぼ同長の剛毛がつく。
花期は6~10月と長い。
ヒメタデ Persicaria erectominor (Makino) Nakai は日本固有種。
絶滅危惧種に指定されている。
葉幅が3~6㎜と狭くて葉が細長く、基部は広い楔形。
短い葉柄がある。托葉鞘の縁毛は長さ3~4㎜。雄蕊5~7個。
今日10月5日は、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの誕生日。
なんとも言葉を持てない。新政権に早急の解決を求めたい。
なんとも言葉を持てない。新政権に早急の解決を求めたい。
拉致解決に向け、与野党の政治家はなぜに声をださない(怒)。
NHKにして然り。奪還方法を国民に問うべきだ。世論喚起!?!
*
今年の10/5は、私的には喜ばしいⅠ日であった(喜)。
次男が、寒川神社で三献の儀をおこなった。
白無垢、被き綿(かずきわた・綿帽子のこと)姿、紋付袴、
新郎新婦の姿、感動・感激であった(親馬鹿)。
而してモーニングを着れた私自身にも驚いた。
このモーニング、私の挙式に着たものだから。
「令和陸年(皇紀2684年)10月5日、記」
10月
3日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-1〟❖ ’24-277 ❖ 》

学名:Aster ageratoides var. laticorymbus (Vaniot) Hand.-Mazz.
別名:ヤマシロギク(山白菊)

草名は、花が白く、草姿がヨメナに似ているのでついた。
別名の山白菊は、標準和名のヤマシロギクとは別種。
山野の林下や林縁などに普通に生え変異の多い多年草。
茎は細く時に屈曲して上部でよく分枝し茎高0.3~1mになる。
半日陰に生育しており、日当たり良い場所では余り見られない。
葉は長さ5~15cm、幅2~5cmの長楕円状披針形で先は鋭く尖り基部は楔形。
縁に大きな鋸歯があり、葉柄との付け根から出た3つの長い脈が目立つ。
短い柄があるかまたは無柄で茎は抱かない。質はやや薄い。
表面はくすんだ深緑色で多少短毛があり、裏面は淡緑色。最大幅は基部寄り。
葉身の基部の1/3辺りで急にくびれると書いてある図鑑もあるが、
そのように見えないものも多いので同定の参考にはならない。
頭花は細い花柄の先に1個ずつ付き、直径1.5~2cm。
総苞は長さ約4mm、幅5-6mmの筒状。
総苞片は3列、やや薄く鈍頭、暗緑色で微毛がある。
舌状花は白色、まれに淡紫色を帯びることがある。
痩果は扁平で長さ2~3mmの狭倒卵形。冠毛は長さ3~4mm。
似た花のシラヤマギクは、茎と葉の両面に白い短毛が密生、葉はやや茎を抱く。
葉の幅は両種とも変異が多く、同定の決め手にならない。
ノコンギクは日当たりのよいところに生え、頭花は一回り大きく直径2~3.5cm.。
ふつう淡紫色を帯び、葉身の最大幅は中部付近、葉の先は細長くは伸びない。
葉の両面に短毛が密生していてざらつく。
シロヨメナの学名は分類が難しく、学名には諸説ある。
Kewscienceでは広義には東アジアに広く分布するAster ageratoides Turcz.とし、
狭義にはAster ageratoides var. laticorymbusとされる。
Aster ageratoidesは中国、台湾、朝鮮などにも分布する。
花が紫色を帯び、日本のシロヨメナとはやや異なるところもある。
日本のシロヨメナでも、四国には紫色を帯びるものが多い。
《 里・丘陵地の秋花〝白嫁菜〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
10月
2日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録24-37〟❖ ’24-276 ❖ 》

キジカクシ科は旧分類のユリ科から分割された。
イワギボウシ(岩偽宝珠); 多年草。
岩偽宝珠は山地の湿った岩場や渓谷の岸壁や樹木の幹や枝に着生する草本。
根元に纏まってつく葉は幅の広い卵形で厚く、表面に光沢がある。
長い葉柄に紫黒色の細かい斑点、葉の下面脈上は全く滑らか。
苞は比較的小さく、花茎伸長時の初期から苞の間に蕾が見えたり、
苞が開花時にしおれるのは特徴的姿だが、各地には変種が色々とある。
花弁内側の脈は着色しないか着色しても濃くはならない。
雄蕊は、花弁より突き出す。
花筒の透明線は広筒部のほぼ全体から細筒部にまで及ぶ。
サイコクイワギボウシ(Hosta longipes var. caduca)が四国西部と九州に、
イズイワギボウシ(H. longipes var. latifolia)が伊豆半島と伊豆諸島に、
ヒメイワギボウ(H. longipes var. gracillima)が四国東部と近畿地方南部に、
オヒガンギボウシ(H. longipes var. aequinoctiiantha)が西日本に分布している。
イワギボウシ(岩擬宝珠)は、日本固有種。
葉柄に広く紫色の斑点がある。葉の下面脈上は全く滑らか。
苞が比較的小さく、花茎伸長時の初期から苞の間に蕾が見え、やや薄質。
花被内側の脈は着色しないか着色しても著しく濃くはならない。
雄蕊は花被より突き出す。
花筒の透明線は広筒部のほぼ全体から細筒部にまで及ぶ。
《 私的未見の秋花〝岩偽宝珠〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**

脈は片側で 5~8 個.葉柄は暗紫色の細点を密布し紫色を帯びて見える.
苞は白色から淡紫色で長さ 7~12mm.花は 8~9 月,淡紫色.
本州,四国,九州に分布する日本固有の植物.
県内では小仏山地,丹沢,箱根などに分布するほか,
三浦半島,相模原台地にも見られる.
川岸の岩場や樹幹に着生する.
葉柄の緑色の 1 型をアオジクイワギボウシ
form. viridipes F.Maek. in J.Fac. Sci. Imp. Univ. Tokyo, sect. 3, Bot. 5:
388 (1940) といい箱根駒ヶ岳が基準産地.
標本:アオジクイワギボウシ 1983.6.4 林辰雄 KPM-NA1069728.
(2)コバギボウシ Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram; H. albomarginata Ohwi form. lancifolia Ohwi; Hemerocallis
japonica Thunb. in Murray, Syst. Veg. ed. 14: 339 (1784) の基準産地の 1 つが箱根(Fakoniae)
高さ 40~50cm.葉身は狭卵形または楕円形,卵状楕円形など葉形や大きさに変化が多く,
鋭頭または鋭尖頭で,基部はしだいに狭くなって翼となって葉柄に流れ,
脈は片側で 3~6 個ある.
苞は緑色,狭卵形,鋭尖頭.花は淡紫色,長さ 4~5cm.花期は 7~8 月.

県内では各地にやや普通で,草原や疎林内に生える.
葉身が特に狭いコギボウシ var. intermedia (Makino) F.Maek.; H.clavata F.Maek.
の型の標本も南足柄市矢倉岳や相模湖町小仏などに見られるが,
両者に決定的な分類形質は見られず,本稿では同一種として扱った.
(3)オオバギボウシ Hosta sieboldiana (Lodd.) Engl.; H. montana F.Maek.
高さ 50~120cm.葉身は広卵形または狭卵形,基部は心形または切形,
下面は多少とも突起状毛がある.脈は片側で 9~12 個.
苞は咲き始めの花茎が伸びるときには開出して星形をなし,
開花時には花茎と直角に開出し,広卵状披針形または卵形,
白色または淡緑色で長さ 2.5~3cm.花は 7~9 月,白色または淡紫色.
花筒は長さ 4~6cm.北海道,本州(中部以北)に分布する日本固有の植物.
県内では全域にもっとも普通で,草原,疎林の下,岩場などに生える.
(4)キヨスミギボウシ Hosta kiyosumiensis F.Maek.
オオバギボウシのように葉下面脈上には突起状の凹凸がある.
苞は開花時に開出せず,ボート形に凹み,緑白色で質厚く,長さ約 1.5cm.
花期は早く,6 ~ 7 月である.
本州(関東地方南部,東海地方,近畿地方)に分布する日本固有の植物.
県内ではきわめて稀.本来は,林床に生える植物だが,
『神植誌 01』の調査で箱根湯本の早川の渓岸で採集された(1993.7.7 中村和義 KPM-NA1105346).
それ以後は採集されておらず『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされた.
*
10月
1日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録24-36〟❖ ’24-275 ❖ 》

湿地に生える、多年草の小さな食虫植物。
細い地下茎の所々に捕虫嚢をつける。
葉は水深により沈水葉と気水葉の2形。
気水葉は長さ3~8㎜のへら形~倒披針形。
深い水深の沈水葉は、線形で大きい。
花茎の上部に直径3~4㎜の花を1~4個つける。
花冠は淡青色~紫紫色で長さ約3mmで濃色の条線がある。
明らかな花柄があり、距は下向きで先はやや前に曲がる。
花は淡青色~紫紫色、濃色の条線がある。
上唇弁が下唇弁よりやや小さく上唇弁と下唇弁が上に向く。
距は長さ2~3㎜、下方へ突き出て先はやや前に曲がる。
萼は広卵形、花とほぼ同色でやや濃色。
果実(蒴果)は、長さ約3.5mm。
萼が大きくなり、耳掻きのような形になる。
環境省の絶滅危惧第 II 類の貴重種。
黄色い花を付けるミミカキグサ。
一回り大きくより鮮明な色の花をつける花、
ホザキノミミカキグサと隣り合わせ混生している。
《 私的未見の秋花〝紫耳掻草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》

**神奈川県植物誌**
ムラサキミミカキグサ Utricularia uliginosa Vahl; U. yakusimensis Masam.
1 年草.地上葉は長さ 3~6mm.花は 8~9 月.花茎は高さ 5~15cm.
花序は総状で,1~5 花をつける.花は淡紫色,長さ約 3mm,有柄.
蒴果は耳掻きの形に似ている.
北海道,本州,四国,九州;東アジア,インドに分布する.
湿地の泥上に生える.県内では箱根仙石原にのみある.
かつては藤沢市鵠沼周辺にもあったが,
現在は本種が生育するような環境があったことを想像することさえできない.
久内(1932 植研 8: 73)によると鵠沼・片瀬には砂質の湿原や池があり,
ミミカキグサ,ムラサキミミカキグサ,ホザキノミミカキグサ,イヌセンブリ,
ゴマクサ,ヒメタデ,ヤナギヌカボなどの稀産種が生育していたが,
当時すでに絶滅していたことを記している.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』は箱根・鵠沼(絶滅)を記録している.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類,『国 RDB15』では準絶滅危惧とされた.
標本:箱根仙石原 1994.9.8 北川淑子 KPM-NA0119195.
(2)ホザキノミミカキグサ Utricularia caerulea L.; U. racemosa Wall. ex Walp.
1 年草.花序は穂状で,小花柄はほとんどない.花は淡紫色で長さ約 2mm.
北海道,本州,四国,九州;アジア,オーストラリア,マダガスカルに分布.
かつて藤沢市鵠沼にあったが 1932 年にはすでに絶滅したとされる(久内 1932
植研 8: 73).
しかし,下記の標本があり,もうしばらく生き残っていた可能性がある.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』には鵠沼(絶滅)とある.
『神 RDB06』では絶滅とされた.
標本:藤沢市鵠沼 1942.7 宮代周輔 YCB112265.
*
古いメモを整理していると、浅学の自分には強く関心を持つ花々。
新たに資料作りを夢見る。
「令和陸年(皇紀2684年)10月01日、記」
9月
30日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-35〟❖ ’24-274 ❖》

花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
山地の木陰や林縁に生える多年草。
葉は対生し大きな根出葉が下部にまとまってつく。
葉身は卵形又は広卵形で羽状に全裂(羽状複葉)し、
裂片は不規則に深く裂けて尖った鋸歯がある。
葉身は10~30cmで15cm位の柄がある。
花は長く伸びた茎頂に付く。
枝先の葉腋から分枝した枝に複数付き、
花冠長さ2.5-3cm。
上唇は舟形で下面に毛があり下唇は先端が3裂。
萼は5裂。
*
ハンカイシオガマはフォッサマグナ要素の植物で、
富士山周辺にだけ分布し、
神奈川県では 丹沢、箱根のブナ帯に分布する。
シオガマギク属の中でも特に背が高く、
花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
火山活動が盛んだった頃、火山灰に埋もれないよう、
花柄を長く伸ばして実を結んだと考えられる。
大型の羽状複葉は下部に集まり、
小葉が更に羽状に切れ込む。
縁が丸い鋸歯でふくよかな風合いを醸し出している。
また半寄生植物と聞くが、数が少なく希少種である。
※ ※
フォッサマグナ要素とは;
植物の分布状態は気候や土壌、
地質学的歴史などにより決まってくる。
フォッサマグナ(糸魚川~静岡構造線の東側の地溝帯)の
南半分の地域に限られた分布をする
植物群のことをフォッサマグナ要素と呼ぶ。
フォッサマグナ要素の植物は、
新生代第四期(約300万年前~現代)の激しい気候変動と
火山活動という環境で分化した種類とされている。
フォッサマグナ要素には以下のものがある。
イワシャジン、ハンカイシオガマ、フジアザミ等。
寄生植物;
通常植物は葉緑素を持ち、太陽光のエネルギーを使って
水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を作り出す(光合成)。
この能力から植物は「生産者」と呼ばれ他の生物と区別される。
ちなみに動物は「消費者」と呼ばれる。
しかし中には葉緑素を持たず、
他の植物(宿主)から養分を得ることにより生活する植物がある。
これらの植物を寄生植物と呼んでいる。
自分でも葉緑素を使って光合成を行うが、
不足する養分を宿主から補うものもあり半寄生植物と呼ばれる。
寄生植物、半寄生植物ともに根を他の植物体の中に進入させ
養分(炭水化物など)を吸収する。
寄生植物、半寄生植物には以下のようなものがある。
【寄生植物】:ギンリョウソウ、ツチアケビ
ナンバンギセル、ヤマウツボ
【半寄生植物】:イチヤクソウ、ウメガサソウ、キンラン、
ギンラン、コシオガマ、ササバギンラン、サイハイラン、
ハンカイシオガマ、ヤドリギ
《 山間の秋花〝樊會塩竃〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
9月
29日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-34〟❖ ’24-273 ❖》

茎頂の総状花序に多数の花を片側に向けてつける。
花は長さ約20㎜、幅5~6㎜の唇形、花柄は長さ10~25㎜で無毛。
萼は小さく5個の萼歯が尖る。果実は4分果。分果は長さ1.5~2㎜。

*セキヤノアキチョウジ:花色は青紫、葉が長細く、
長い花序にたくさんの花が並ぶ。
*ヤマハッカ:花色は青紫、葉は広卵形で先が尖り、
上の花びらには縞模様がある
*イヌヤマハッカ:花色は紫、葉は広卵形で先が尖り、
上の花びらには縞模様がない
*カメバヒキオコシ:花色は紫、葉が亀の形に似る
*ヒキオコシ:花色がわずかに紫がかった白、
葉は広卵形で先が尖る
アキチョウジより花が長く、葉が細長い。
関屋とは関所の建物こと。
関所で名高い箱根に多い事で付いた名前。
またチョウジは、花の形が丁の字に見えることから
《 山間地の秋花〝関屋の秋丁字〟 ❖ 9月 ❖ 》

(3)セキヤノアキチョウジ
Isodon effusus (Maxim.) H.Hara; Plectranthus longitubus Miq. var. effusus Maxim. in Bull. Acad.
Imp. Sci. St.Petersb. 20(3): 451 (1875) の基準産地は箱根
多年草.茎は高さ 70~100cm.葉柄は長さ 0.5~2cm.
葉身は長楕円形または披針形,長さ 5~15cm,幅 2~5cm,
先端は鋭く尖り,上面には軟毛が生える.花は 9~11 月.
花柄は無毛で柄は長く開出するため花序の幅が広い.
花冠は青紫色.萼裂片は細長い.
本州中部の太平洋側(栃木県~愛知県)に分布する.
県内では丹沢,箱根,小仏山地に分布するが,
多摩丘陵の川崎市高津区蟹ヶ谷
(1998.10.10 武井尚 KPM-NA0114331)でも採集されている.
シイ・カシ帯~ブナ帯までの丘陵~山地の樹林内や林縁に生える.
9月
28日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-33〟❖ ’24-272 ❖》

一度聞いたら忘れない植物の1つ。
まるっこい苞がタヌキの姿と言うか、
毛深い容姿が、狸を連想できる。
元々は、栽培種だったが野性化した。
荒れ地などで見かけることがある。
本州から沖縄まで分布する一年生草本。
夏から秋に、結構美しい花を咲かせる。
茎はふつう枝を出さずに直立し高さ20-70cm。
上向きの伏毛があり、全体に褐色の長毛が多い。
葉はマメ科では珍しく単状複葉(1小葉)。
無柄で互生し、長さ4-10cm、幅0.3-1cm、
線形~狭長卵形で鋭頭。
表面は脈上以外は無毛で裏面は褐色の伏毛が密生。
托葉は長さ約4mmの線形。
茎頂に長さ5~10mmの総状花序を出し、
青紫色で長さ約1cmの蝶形花を2-10個につけ、
茎頂の総状花序に花が多数つく。
旗弁は幅7~10㎜の円形。
下から上にほぼ1個ずつ順次咲き、結実していく。
花は午後に開き、夕方にしぼむ。
翼弁と竜骨弁はほぼ同長。雄蕊は単体10個。
子房は無毛。苞は長さ5-8mmの線形。
萼は褐色の長毛が密生してよく目立ち、
上下2深裂して、上裂片は2裂、下裂片は3裂。
豆果は長さ1~1.5㎝の長楕円形、種子が10~15個入る。
豆果は長さ1~1.5cmの長楕円形で萼に被われ無毛.
熟すと2片に裂開して種子を飛ばす。種子は腎形で4~30個。
《 里地の秋花〝狸豆〟 ❖ 9月 ❖ 》

(1)タヌキマメ Crotalaria sessiliflora L.
1 年草.茎は直立して 6~70cm に達し,葉は線形で 1 小葉.
7~9 月に開花し,茎の先に青紫色の花を総状につける.
萼は花後に伸びて,豆果をおおう.
豆果は長さ 12mm 前後で,熟して裂開する.
本州,四国,九州,琉球;朝鮮,中国,
東南アジアに分布する.草地や路傍に生える.
県内では横浜市青葉区と栄区の 2 例のみであるが,
ともに失われており,『神 RDB06』では絶滅とされた.
今回,大磯で確認された.
標本:横浜市青葉区あざみ野 3 丁目 1985.9.7 北川淑子 KPM-NA1047435;
横浜市栄区中野町 1998.9.13 山下敏夫YCB422040;
大磯町高麗山 2010.11.7 鈴木照夫 YCB432629.
* * *
花名は、大きく膨らんだ萼が淡褐色の長毛に被われている。
そんな様子を狸の体または尻尾、睾丸に見立てたと云われる。
又、花を正面から見た姿がタヌキの顔を連想させるからとも。
眺めていると面白くも可笑しい連想出てくる花である。
「令和陸年(皇紀2684年)9月28日、記」
9月
27日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-32〟❖ ’24-271 ❖》

草丈1mを超える大型の多年草。
秋に暗赤紫色の花序をつける。
暗赤紫色花序は、白花が多いセリ科では特異。
ノダケは林縁や湿原の周辺などの湿った草地、
小川のほとりなどに生育することが多い。
香りが強く、民間薬にも利用されている。

葉は3出羽状複葉、小葉基部は翼状で小葉に柄はない。
小葉は長楕円形~長卵形、縁に粗い鋸歯がある。
複散形花序に暗紫色(まれに淡緑色)の花をつける。
花序の柄はほぼ同長で花序が丸くなる。
花序の基部には葉の退化した袋状の葉柄がつき、
蕾のときは帽子をかぶったように見える。
小総苞片は濃紫色、全縁。
果実はやや厚い翼がつき、長さ4~6㎜の扁平な広楕円形。
花弁の白いものはシロバナノダケという。
イワニンジンはノダケより鋸歯がするどく、
ノダケモドキはイワニンジンの1品種である。
シシウド属を詳細に判別するには小総苞片を観察する。
ノダケの小総苞片は紫色、全縁。
イワニンジンの小総苞片は短毛が密生する。
アシタバの小総苞片は全縁又は繊維状に切れ込む。
シシウドは小総苞片が無い。
《 高原の秋花〝野竹〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》