《 雅羅・/・襍〝備忘録24-36〟❖ ’24-275 ❖ 》

ムラサキミミカキグサ(紫耳掻草... ムラサキミミカキグサ(紫耳掻草)タヌキモ科(Lentibulariaceae)
学名:Utricularia uliginosa Vahl
北海道・本州・四国・九州屋久島... 北海道・本州・四国・九州屋久島まで自生地がある花。
湿地に生える、多年草の小さな食虫植物。
細い地下茎の所々に捕虫嚢をつける。
葉は水深により沈水葉と気水葉の2形。
気水葉は長さ3~8㎜のへら形~倒披針形。
深い水深の沈水葉は、線形で大きい。
花茎の上部に直径3~4㎜の花を1~4個つける。
花冠は淡青色~紫紫色で長さ約3mmで濃色の条線がある。
明らかな花柄があり、距は下向きで先はやや前に曲がる。
花は淡青色~紫紫色、濃色の条線がある。
上唇弁が下唇弁よりやや小さく上唇弁と下唇弁が上に向く。
距は長さ2~3㎜、下方へ突き出て先はやや前に曲がる。
萼は広卵形、花とほぼ同色でやや濃色。
果実(蒴果)は、長さ約3.5mm。
萼が大きくなり、耳掻きのような形になる。
環境省の絶滅危惧第 II 類の貴重種。
黄色い花を付けるミミカキグサ。
一回り大きくより鮮明な色の花をつける花、
ホザキノミミカキグサと隣り合わせ混生している。


《 私的未見の秋花〝紫耳掻草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
※ 以上3枚画像は、借り物です... ※ 以上3枚画像は、借り物です ※


**神奈川県植物誌**
ムラサキミミカキグサ Utricularia uliginosa Vahl; U. yakusimensis Masam.
1 年草.地上葉は長さ 3~6mm.花は 8~9 月.花茎は高さ 5~15cm.
花序は総状で,1~5 花をつける.花は淡紫色,長さ約 3mm,有柄.
蒴果は耳掻きの形に似ている.
北海道,本州,四国,九州;東アジア,インドに分布する.
湿地の泥上に生える.県内では箱根仙石原にのみある.
かつては藤沢市鵠沼周辺にもあったが,
現在は本種が生育するような環境があったことを想像することさえできない.
久内(1932 植研 8: 73)によると鵠沼・片瀬には砂質の湿原や池があり,
ミミカキグサ,ムラサキミミカキグサ,ホザキノミミカキグサ,イヌセンブリ,
ゴマクサ,ヒメタデ,ヤナギヌカボなどの稀産種が生育していたが,
当時すでに絶滅していたことを記している.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』は箱根・鵠沼(絶滅)を記録している.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類,『国 RDB15』では準絶滅危惧とされた.
標本:箱根仙石原 1994.9.8 北川淑子 KPM-NA0119195.
(2)ホザキノミミカキグサ Utricularia caerulea L.; U. racemosa Wall. ex Walp.
1 年草.花序は穂状で,小花柄はほとんどない.花は淡紫色で長さ約 2mm.
北海道,本州,四国,九州;アジア,オーストラリア,マダガスカルに分布.
かつて藤沢市鵠沼にあったが 1932 年にはすでに絶滅したとされる(久内 1932
植研 8: 73).
しかし,下記の標本があり,もうしばらく生き残っていた可能性がある.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』には鵠沼(絶滅)とある.
『神 RDB06』では絶滅とされた.
標本:藤沢市鵠沼 1942.7 宮代周輔 YCB112265.

古いメモを整理していると、浅学の自分には強く関心を持つ花々。
新たに資料作りを夢見る。


「令和陸年(皇紀2684年)10月01日、記」


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