ロイヤルコペンハーゲンの「角砂糖と鼠の置物」である。作家はエリック・ニールセンで、1911から22年の間に製作された。エリック・ニールセンは、これと511番の「胡桃と鼠の置物」を1890年にすでに制作している。これら作品は人気があり近年まで作られているが、古いものはなかなか出てこない。特に19世紀に作られたものは見たことがない。
角砂糖の部分には釉薬がかかっていなく、ビスキュイである。小さいけど、なかなか凝った作りとなっている。
ビング&グレンダールのパンジー文ボウルである。時代は1902から3年で、作家はファニー・ガルデ、ワーク番号851番のユニカである。実はこのボウル、1週間程前にヤフオクで落としたものである。おそらく、B&Gのユニカがヤフオクに出品されるのは初めてだと思う。ロイヤル・コペンハーゲンのユニカは何回かあるけど..
それなりに値は上がったが、何人かのコレクターさんと業者さんが適当なところで下りてくれたので、思っていたほどではなかった。まあ、高台内に窯傷があるし、浮彫の技術もそれほどまだ上手くないので、日本では妥当な値段かな..
なぜ、すぐにアップしなかったかというと、まず時代を調べていたからである。そして調べているうちに、いろいろな疑問が出てきて、それも調べていたからである。B&GはRCみたいに資料があまりないので、新たな作品が出てくるたびに新しい発見があり、とても面白い。ということで、なかなかレアな作品である..
二代眞葛香山の青磁読書文大皿と思われるが、三代の可能性もある。うらの高台内がギザギザになり、眞葛香山製ではなく、眞葛香山作となっているものは三代の作品だということを聞いたことがあるが、定かではない。最近は、このような香山作となっているものも、二代という触れ込みで売買されている。
そもそも眞葛香山製とは初代の時代から眞葛窯のブランド名であるので、香山本人がすべて直接製作したというわけではない。古い写真等をみても、眞葛窯には絵付師が何人かいたし、ロイヤルコペンハーゲンやビング&グレンダールのように、ユニカ作品とプロダクト(量産)製品を区別していたわけでもない。
すなわち、二代あるいは三代眞葛香山時代に制作された青磁読書文大皿であるということである。まあ、どちらにしろ、このような人々の生活を題材にしたデザイン作品は眞葛窯では珍しい。ほとんどないと思う。
どうやら眞葛のコレクターはこういう作品はあまり興味ないらしい。実はこの作品、昨年末からネットオークションに1か月以上だれもビットせずにぐるぐるとまわっていた。私は時代を反映しており、資料的な価値もあるし、とても面白い作品だと思っているのだが..
二代井上良斎の「鷺と竹型花瓶」である。時代は1875年から1885年くらいの間に作られたものだと考えられる。実は宮永東山の似たような作品を京都の骨董店で見たことがある。それを見たときに、ビング&グレンダールのピエトロ・クローンが制作した鷺のシリーズが頭が浮かんだ。おそらく、ピエトロ・クローンはこれらの日本の作品を見て鷺のサービスの発想を得たのではないかと。
そして、鷺のサービスは1888年にコペンハーゲンで行われた産業博覧会に出展するために、1886年から1888年の間に制作されたので、それ以前に作られた日本の鷺の作品を探していたのである。この時代は、眞葛香山や井上良斎が制作した高浮彫が海外へ輸出された全盛期だったので、何かあるのではないかと思っていたのだが、とうとう見つかった。いずれも里帰り品らしい。まあ、もう少し、いろいろと判ればよいのだが..
伊万里の桃ノ木文花瓶である。購入したときは、確か柿の木ということだったが、ヘタがないので桃にした。実は、この花瓶、一番最初に購入した伊万里の釉下彩作品である。おそらく、もう20年位前かな。B&Gのようにデコレイティブな釉下彩作品だったので購入したのである。この稚拙で大胆に描かれている桃ノ木がとても気に入っている。なかなかできない技だと思う。
おそらく瀬戸の染付鷺波文花瓶である。瀬戸のベロ藍を用いて古くからある日本独特な鷺模様が描かれた花瓶である。この花瓶は、ちょうどガムランの練習の帰りの電車に乗っているときに、サイズを確認もせずにスマホを用いて落とした。本当は、もっと小さい花瓶を想像していたが、届いてびっくり、とても大きかった。まあでも鷺は好きなので良いとしましょう。
ロイヤルコペンハーゲンのヨット鴎文花瓶です。この42AAの花瓶はだいぶ前に購入した舞蝶文花瓶を持っていましたので、今回一緒に撮影しました。
神戸ファッション美術館のデンマーク・デザイン展も終わり、いよいよ来年4月から東北歴史博物館(宮城県多賀城市)で行われるものでおそらく最後となります。もしかしたら、講演するかもしれません。久しぶりに東北へ行けるかな?
2016年のソウルから始まり、まる5年間、長かったような短かったような..
ところで、昨日、日曜美術館のアートシーンを見ていたら、大倉集古館で行われている「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇」展の紹介で、割れた多くの磁器の中に、ロイヤルコペンハーゲンの蓋付花瓶がほぼ中央に映っていました。まあ、プロダクトものだと思われますがひどいですね。私もまたいくつか直そうかな..
マイコレクションのHPの訪問者数が10万人を超えました。what's newを見たら、2004年元旦にスタートしていますので、約16年11か月かかっていました。
まあ、ブログと違って毎日アップしないからね。しょうがないか..
今後も、マイペースで更新していきますので、よろしくお願いします!
デミタスカップ&ソーサのコレクターであったS氏が今月亡くなられました。昨日、奥様から喪中はがきを頂きました。写真は、2014年から2015年にかけて美術館4館で行われた、S氏が奥様と共に長年集めてきたデミタスカップ&ソーサのコレクション展「デミタス・コスモス」の図録の表紙です。S氏からは2011年から2012年に行われた私の最初のコレクション展でも、C&Sを3客お借りしました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。
ロイヤルコペンハーゲン製、ランプフィッシュのフィギャリンである。時代は1895年前後に製作されたものである。オリジナル作家は、エリックニールセンであり、おそらく、彼がフィギャリン用の素地を開発して、制作された最初のフィギャリンだと思われる。
ランプフィッシュはランプサッカーとも呼ばれ、大西洋に生息している世界最大のダンゴウオだそうで、大きいものでは60㎝になるものがいるようだ。このフィギャリンも30㎝近くあり、ほぼ半分の大きさだがとても迫力がある。
まあ、とりあえず、コペンハーゲンの欲しかった魚のフィギャリンはほぼそろった。あとは手ごろな値段で巡り合えれば、もう2つほど購入したいと思っているが、まあ、このくらいにしておいても良いかな..
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