蟻は小さいので、人間から見れば弱肉強食の昆虫の世界では弱い存在と思われがちですが、肉食のモノが多く、活発に動き攻撃力もあり集団行動を取ることから、他の昆虫にとっては恐ろしい存在です。
蜂と蟻は一般的に別物として認識があるようですが、これは日本の蟻の多くが毒針を持たないこと、生殖時期以外には翅を持たないこと、地面で生活していることなどの印象からだと思われます。実際には、「スズメバチ」などと近縁なグループで、「スズメバチ」からみても、「ミツバチ」よりも近い仲間です。
【クロオオアリ(黒大蟻)】は、ハチ目(膜翅目)アリ科オオアリ属の「蟻」で、「ムネアカオオアリ」と並び、働き蟻は体長12ミリと日本列島に分布する約280種の蟻の中で最大となる大型種です。
全身が光沢のない黒灰色をしており、腹部の節(腹柄)の部分だけが黒光りしており、腹部には褐色を帯びた光沢のある短い毛が密生しています。
【クロオオアリ】は、小さな蟻のように行列を作らず、一匹ないし数匹で餌を探しますが、写真の蟻さんも一匹で動き回っていました。
前翅の色が赤系の昆虫としては、「アカサシガメ」や「ベニボタル」などがいますが、この【ベニカミキリ】もそうです。
甲虫目(鞘翅目)カミキリムシ科カミキリ亜科に属している「カミキリ」です。
体長17ミリ、前胸部・前翅は赤紅色で、前胸部には5つの黒紋があり、触角・頭部・脚は黒色をしています。
この種の幼虫はタケ類を食べて育ちます。
成虫の多くは樹木の樹皮を食べるモノが多いのですが、本種は花の蜜を食べる変わりものです。
良く似た「カミキリ」として、前翅のお尻側に黒い斑紋が左右に1個ずつあるのが「ヘリグロベニカミキリ」です。
なんともきれいなタテ筋模様の「芋虫」さんは、【トビネオオエダシャク】の幼虫です。
体長50ミリを超えていますので、終齢幼虫かとおもわれます。
チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科の「蛾」で、日本・シベリア・朝鮮に分布しています。
ヤナギ科・バラ科・ツツジ科・ミズキ科など幅広い樹木の葉を、食草としています。
成虫は明るい灰色地に灰褐色の帯が数本入った翅を持ち、樹木の幹などに貼りつくようにとまっています。
頭部・胸部~腹部の側面、および尾端が鮮やかな黄色で、気門付近は黒い紋となり、背面と腹面は灰白色でそれぞれに数本の黒線が入ります。
頭部には、眼と鼻かなとおもわせる黒い斑紋があり、なかなか愛嬌のある顔つきをしています。
「ジーピチチロジュジュッ、ピージュッジュチー」と、地鳴りのさえずりに澄んだ声を交えて大きな声で複雑に鳴いています。見上げますと電線に、【セグロセキレイ(背黒鶺鴒)】がとまっていました。
スズメ目セキレイ科セキレイ属に分類されている鳥類で、日本固有種とされることが多いようですが、ロシア沿海岸部や朝鮮半島などでも観察されているようです。
主に水辺の近くに棲み体長20センチ前後、頭から肩・背にかけて濃い黒色で、腹部が白色、胸部は黒色をしています。
「ハクセキレイ」と良く似ていますが、本種は目から頬・肩・背にかけて黒い部分がつながる特徴がありますので、鳴き声の違いとともに見分けがつきます。
下から見上げていましても飛び去る様子もなく、長い尾羽を上下に振りながら、一人カラオケを楽しんでいる様子でした。
前回紹介した 「マイマイガ」の幼虫 も、結構毛が長いですが、この【スジモンヒトリ(筋紋火取)】も、体全体が長い毛に覆われた「毛虫」さんです。
「毛」=「毒」という図式が閃きますので、天敵としても手を出しずらい形態と色だと思います。
大きく成長して「蛹」になり、 【スジモンヒトリ】の成虫 として孵化していきます。
どのチョウ目の幼虫もそうですが、見事な成虫の変身ぶりには驚かされます。
まだまだ若齢幼虫のようで体長2センチばかりでしたが、それなりに存在感のある「毛虫」さんです。
緑色の葉が鮮やかな 「ローズマリー」 の葉に、赤色の【ナミテントウ】が、動き回っていました。
「テントウムシ」は、日本国内に約160種ほど分類されていますが、黒紋の星の数で呼ばれているのは、「ナナホシテントウ」と、 「ニジュウヤホシテントウ」 だけです。
「テントウムシ」の多くは、<二紋型・四紋型・紅型・斑型>の範疇に収まる 【ナミテントウ】 に一括されてしまいます。
黒紋が多くある<斑型>の【ナミテントウ】ですが、数えますと12の黒紋がありました。
遺伝子学的には【ナミテントウ】なのでしょうが、やはり「ジュウニホシテントウ」と名付け、区別して呼んであげたくなります。
白色の清楚な花弁の「ナニワイバラ」の枝に、黒い突起状のある「毛虫」を見つけました。
胸脚が退化して1対しかありませんので、俗に言う「尺取虫」です。
チョウ目シャクガ科の幼虫だと特定できますが、それ以降の成虫名までの同定ができません。
日本においては、シャクガ科として約800種ほどが既知種として知られていますが、すべての確認作業は無理です。
「ナニワイバラ」特有の枝の棘が痛くないのかと心配しながら、特徴ある背面の模様を眺めておりました。
後記 : チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科の「シロトビエダシャク」の幼虫でした。
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けっこう毛だらけの、典型的な「蛾」の幼虫(毛虫)の姿ですが、【マイマイガ】の幼虫です。
チョウ目(鱗翅目)ドクガ科マイマイガ属の「蛾」として、北アフリカ・ヨーロッパ・アジア・北アメリカ東部に多く分布し、地域により多数の亜種に分類され、日本産種も4~5亜種に細分化されています。
【マイマイガ(舞舞蛾)】の幼虫は、背面に目立つ二列の点が並び、個体差もありますが、頭部(写真左)側の5対が青色、それ以降の6対は赤色で、最終的には60ミリ前後の体長に成ります。
<性的二形>が顕著で、 オスの翅の色は茶褐色 でメスは白色をしています。
ヒトリヨガリ科の 「クワゴマダラヒトリ」 もタワシのように剛毛の(毛虫)ですが、毛の長さでは、この【マイマイガ】の方が断然勝っています。
飛んでいるときは、大きな蜂だと一瞬ひるみましたが、「ナンテン」の葉の裏側に止まりよく見ると、体長自体は25ミリ程度で、長い触角と長い脚で大きな蜂だと感じたようです。
ハチ目(膜翅目)ヒナバチ科の昆虫で、甲虫や他の蜂や蝶の幼虫に卵を産みつける寄生蜂の仲間です。
日本には約400属、1400種以上が分類されています。
同じ寄生蜂としては、 「ヒメコンボウヤセバチ」 や 「ジガバチ」 などがいますが、どれも幼虫(芋虫・毛虫)を押さえつけるために、長い腹部が特徴的です。
腹部は丸味をおびた棍棒状になはらず、縦に扁平な形状をしています。
体長7ミリほどの<フキバッタ(蕗飛蝗)>の若齢幼虫が、庭にある 「ラミウム」 の葉の上におりました。
体長が小さく、近付きますとピョコンと跳ねて逃げますので、撮影には手こずらされます。
バッタ目(直翅目)バッタ科フキバッタ亜科の昆虫で、世界で120属約900種ほどが分類されています。
日本には13種ほどの<フキバッタ>が知られていますが、翅が退化してありませんので行動範囲が狭く分布域が限られ、ほとんどの種が日本固有種です。
外見が「イナゴ」に似ていますが、翅がなく飛べないモノの多くは「フキバッタ」類とみて間違いがありません。
「ツチイナゴ」 の成虫の眼には、涙のように下に黒筋が入りますが、 <フキバッタ> は眼の後ろ側に水平に黒帯が入りますので、この部分だけみても、「イナゴ」との区別が出来ます。
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