金融市場で「米国売り」が止まらない状況のようです。<トランプ米政権>は米国債の投げ売りに伴う長期金利の急上昇に慌てて9日、「相互関税」の大部分を90日間停止しましたが、それでも売りが収まらない状態です。ドル安も急速に進み、投資家の米資産離れが顕著になってきています。
米国債は世界で最も安全な金融資産とされ、市場の不安が高まっている局面で買われやすいのですが、世界的に株価が乱高下する中でも売られ、長期金利は急騰。このまま収束しなければ「米国債の地位が揺らぐ」との見方が出ています。
長期金利の指標である10年物米国債利回りは週明け7日未明の(3.9%)近辺から8日夜には(4.5%)付近まで急上昇。9日の「相互関税」停止を受けていったん低下したものの、再び上昇に転じ、週末11日には(4.59%)を付けています。
報道によりますと、10年債利回りの週間の上昇幅は2001年以来24年ぶりの大きさ。30年債も上がり方が激しく、1987年以来38年ぶりの上げ幅を記録しています。
長期金利急騰の要因として、各国の機関投資家が金融市場の動揺を受けて米国債を売り急いでいるとみられています。また、中国が米国による追加関税への報復措置として売却しているとの臆測も浮上しています。米ストラテジストは、直近の売りは主に欧州由来だと分析した上で、「中国は欧州に多額の米国債を保有している」と指摘しています。