19日の東京外国為替市場で、円相場は3営業日続伸でした。17時時点では前日の同時点に比べ8銭の円高・ドル安の「1ドル=154円48〜50銭」で推移しています。米長期金利の上昇が一服し、これまで積み上がった円売り・ドル買いの持ち高を縮小する動きが広がりました。<加藤勝信財務相>の発言が円安進行をけん制したと受け止められたのも円相場を押し上げています。
円相場は「1ドル=153円96銭」近辺まで上げ幅を広げる場面がありました。前週に(4.50%)に上昇する場面があった米長期金利は、
ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒から、相対的に安全な資産とされる米国債に買いが入り、日本時間19日の取引で(4.40%)を下回って推移しており、日米の金利差拡大に歯止めがかかるとして円買い・ドル売りが入っています。輸出企業など国内実需筋による円買い・ドル売り観測も相場を支えました。
<加藤勝信財務相>が、19日午前の閣議後の記者会見で、円安進行を巡り「極めて高い緊張感をもって注視するとともに、行きすぎた動きに対しては適切な対応を取りたい」などと語っています。改めて円安進行をけん制したと受け止められたのも持ち高調整の円買い・ドル売りにつながりました。
もっとも、円相場は上値の重さも目立った。日銀の植田和男総裁は18日の講演で、このところの急ピッチな円安進行にもかかわらず利上げを急ぐ姿勢をみせなかった。日銀が次回12月の金融政策決定会合で追加利上げに動く可能性がやや低くなったとの見方から円売り・ドル買いも出た。