9日早朝の東京外国為替市場で円相場は上昇しています。8時30分時点は「1ドル=142円32〜34銭」と前週末17時時点と比べ19銭の円高・ドル安でした。
6日発表の8月の米雇用統計が米労働市場の減速を映す結果となり、前週末の米長期金利が低下して円買い・ドル売りが入りました。もっとも米国が景気後退に陥るとの警戒感は高まらず、円の上昇圧力は限られています。
8月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比14万2000人増と、市場予想(16万1000人増)を下回りました。雇用情勢が弱く米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げが確実視されるなかで、日米金利差の縮小を見込んで円高・ドル安方向に振れています。
円相場の上値は重く、米雇用統計では失業率が市場予想と一致したほか、平均時給の伸びは予想を上回りました。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの見方から、(FRB)が9月に大幅利下げに動くとの観測はやや後退しており、円買いの勢いは弱含みです。