今年の読書(63)『因果の刀』西條奈加(新潮文庫)
10月
11日
近未来の日本国内にある〈江戸国〉からの阿片流出事件(前作『芥子の花』の事件)に関して、日本から査察が入ります。団長は大御所議員の「印西茂樹」。江戸城では上様「徳川家盛」をはじめ老中たちとの評定が開かれる中、「印西」は秘密裡に「ゴメス」に接触し、江戸国の開国と明け渡しを求めます。「印西」の目的は江戸国深くに眠るロケット燃料となる白緑石で、この資源を元に燃料を開発し暴利を貪る算段でした。
ところが「ゴメス」を殺人犯として嵌めるために「印西」が「ゴメス」の〈刀〉で刺殺される事件が発生、「ゴメス」は犯人として捕まり、江戸国は大火に見舞われてしまいます。
「ゴメス」をはじめ馴染みの登場人物たちが繰りなす奇想天外な物語は、432ページを一気に駆け抜けます。