<齊藤京子>『泥濘の食卓』@テレビ朝日系
9月
6日
同作は、2016年に『悪い夢だといいのにな』で「第75回ちばてつや賞」大賞を受賞しています漫画家<伊奈子>による同名漫画が原作です。主人公の女の子がバイト先の店長との不倫をし、さらには店長の息子、そして店長の妻にまで近寄っていきます。純粋すぎるがゆえ、まっすぐな愛が狂気へと変わった想いが、愛する相手の家庭へと徐々に寄生していき、やがて泥濘へと引きずり込んでいく、かつてない〈パラサイト不倫〉を描いています。これまでの「不倫」をテーマにした作品を凌駕する衝撃作です。
<齊藤京子>が演じるのは、毒親に育てられたことで、「自分には何の取り柄もない」と思い込んでいる自己肯定感の低いスーパーの店員「捻木深愛(ねじき・みあ)」です。常に否定し続け、暴力を振るっていた父亡き後も抑圧の強い母と2人で暮らす「深愛」は、初めて自分を肯定し、優しくしてくれた店長に恋をして、不倫関係になります。
ところが、店長の妻の病が悪化したことをきっかけに別れを切り出され、突然、絶望のどん底に突き落とされた「深愛」でしたが、考えた末に導き出した答えは「私はやっぱり、店長と幸せになりたい」。愛する店長を元気にするために、店長の妻の病気を治そうととんでもない行動に出始め、やがてその行動はどんどんエスカレートしていきます。「深愛」の純粋すぎる想いが、店長一家を蝕んでいきます。
監督は、映画『バイロケーション』(2013年)でウディネ極東映画祭やストックホルム国際映画祭などへ出品され、国内外で称賛を浴びた<安里麻里>が務めています、メイン脚本は、2014年に『隣のレジの梅木さん』で「フジテレビヤングシナリオ大賞」の大賞を受賞し、以降も『PICU小児集中治療室』(2022年)などを手掛ける<倉光泰子>が担当しています。