香港の選挙制度見直し@全国人民代表大会
3月
31日
常務委は、香港政府トップの行政長官と立法会(議会)議員の選出方法を規定する香港基本法(憲法に相当)の付属文書を修正しています。立候補者が香港政府に忠誠を尽くすかどうか、新設する「資格審査委員会」が事前審査することになります。香港当局の判断で、民主派を立候補段階でふるい落とすことが可能となりました。
また、行政長官の選出にあたる選挙委員会の職権と規模を拡大しました。定数を1200から1500に増やし、増加分は親中派組織代表らに割り振ります。民主派が優勢だった区議枠(117)は廃止されます。
立法会選挙も、従来以上に親中派に有利な制度へと変更しました。定数を70から90に増やしましたが、民意が反映されやすく民主派に有利とされた直接選挙枠は35から20に縮小させます。選挙委員会の委員に、新たに40議席を割り当てます。
中国政府は「愛国者による香港統治」を掲げ、民主派を「反中勢力」と位置づけちぇいます。香港民主派は立法会で、重要議案を廃止に追い込むこともできました。今後、民主派の排除が進むことで、立法会も全人代と同様、政府の決定を追認する機関へと変質することになりそうです。
<林鄭月娥>行政長官は30日に記者会見し、香港での関連条例の整備を今年5月末までに完了させた上で、9月に予定していた立法会選挙を12月に延期する方針を明らかにしています。