中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は30日、香港の選挙制度見直し案を全会一致で可決しています。香港の民主派を統治機構から排除する内容で、<習近平>政権が進めてきた香港に対する統制強化の決定打となる法案になります。香港に高度な自治を認めた「一国二制度」は事実上、崩壊しまました。
常務委は、香港政府トップの行政長官と立法会(議会)議員の選出方法を規定する香港基本法(憲法に相当)の付属文書を修正しています。立候補者が香港政府に忠誠を尽くすかどうか、新設する「資格審査委員会」が事前審査することになります。香港当局の判断で、民主派を立候補段階でふるい落とすことが可能となりました。
また、行政長官の選出にあたる選挙委員会の職権と規模を拡大しました。定数を1200から1500に増やし、増加分は親中派組織代表らに割り振ります。民主派が優勢だった区議枠(117)は廃止されます。
立法会選挙も、従来以上に親中派に有利な制度へと変更しました。定数を70から90に増やしましたが、民意が反映されやすく民主派に有利とされた直接選挙枠は35から20に縮小させます。選挙委員会の委員に、新たに40議席を割り当てます。
中国政府は「愛国者による香港統治」を掲げ、民主派を「反中勢力」と位置づけちぇいます。香港民主派は立法会で、重要議案を廃止に追い込むこともできました。今後、民主派の排除が進むことで、立法会も全人代と同様、政府の決定を追認する機関へと変質することになりそうです。
<林鄭月娥>行政長官は30日に記者会見し、香港での関連条例の整備を今年5月末までに完了させた上で、9月に予定していた立法会選挙を12月に延期する方針を明らかにしています。
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