東京の九龍城「代々木会館」解体
7月
3日
「代々木会館」は今から約50年前に国鉄代々木駅前に竣工した8階建ての雑居ビルです。この建物が一躍脚光を浴びたのは、今から45年前の1974(昭和49)年。日本テレビ系ドラマ 『傷だらけの天使』 (1974年10月5日~1975年3月29日)の舞台となったことによるものでした。
かつては内部の飲食店街に予備校、ビリヤード場、パチンコ店などさまざまなテナントが出店していたこのビルも、ここ最近はほぼ空き家に。何度も再開発の話が持ち上がるも、多くの区分所有者がいることもあり、断念されてきたという経緯がありました。しかし、ついに2019年6月に「解体告知」が出され、その長い歴史に幕を下ろすことになりました。
解体告示でのテナントは、1階のラーメン居酒屋「きぬちゃん食堂」と3階の「東豊書店」のみとなっていました。店主・簡さんの「東豊書店」は日本屈指の「中国語専門書店」として知られ、中国・香港・台湾などで出版された本が床から天井までビッシリと並ぶ様子はまさに「東京の九龍城」でした。
現在、代々木会館前に掲げられている解体告知によりますと、解体は8月1日(木)から2020年の1月31日(金)まで。横浜市に本社を置く企業の名前が記されています。都心駅前の一等地における大型再開発であるものの、現時点ではどういった内容の開発が行われるのか一切明かされておらず、今後の動向が注目されます。