< バイオロキング機器を背びれに取りつけられた「ホホジロサメ」(画像:A・フォックス撮影) >
「ホホジロザメ」が普段はゆっくり泳ぎ、獲物を待ち伏せする習性を持つことが、国立極地研究所の<渡辺佑基>准教授らの研究グループの調査で判明しています。人を襲うこともあるどう猛な肉食魚ですが、体温が高くエネルギーの消耗を抑える狙いがあるようです。論文は27日までに英科学誌に掲載されています。
体長3~4メートルにもなる「ホホジロザメ」は周囲の水温より10度ほど体温が高く、筋肉を活発に動かして高速で泳げると考えられています。
<渡辺>准教授らはオーストラリア南部のネプチューン諸島周辺で、8匹の「ホホジロザメ」を調査。泳ぐ速度や加速度を測る装置を背びれに取り付け、行動を記録しました。
その結果、獲物のオットセイを捕まえる時は、時速25キロ程度まで加速しましたが、普段は時速2.9~4.9キロとゆっくり泳ぎ、待ち伏せる行動をみせています。
深く潜る時は、尾びれを全く動かさないことも判明。<渡辺>准教授は「高い体温はエネルギーを消費するので、普段はエネルギーを節約し、大きな獲物を狙っているのだろう」と分析しています。
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