「今治ラヂウム温泉本館」@愛媛県今治市
10月
29日
本館は鉄筋コンクリート2階建てで408平方メートル。もともとは陸屋根(平らな屋根)だったが、その後、切り妻屋根が増設された。
東側にある塔屋は、5角形平面の下層に6角形平面の上層を組み合わせた変則的な構造。西側には8角形ドーム屋根(高さ約13メートル)の浴場が2つ並び、その間にはレンガ作りの煙突がそびえる。内装も、北欧風デザインとされるエントランスの天井やアーチ状の浴場入り口、大理石のようにみせる技法で仕上げられた柱や壁があり、豪華な雰囲気をかもしだしています。
ドーム屋根は、建築時にヨーロッパで開発中だったシェル(曲面板)構造を採用。屋根の湾曲に合わせ、平面板より強度がある曲面板を使った構造で、厚さわずか13センチのコンクリート板をはりの間にめぐらし、屋根を支柱なしで支えている。当時シェル構造を取り入れた点は日本では貴重な事例だといいます。
保存・活用がうまく運べばいいと思いますが、100周年記念事業の盛り上がりを期待しています。