今年の読書(49)『男たちのワイングラス』今野敏(実業之日本社文庫)
9月
22日
主人公の<私>は、表向きは相山流の茶道の師匠なのですが、裏の顔として祖父が編み出した中国拳法の極意を継いでいる武道の達人でもあります。
タイトルにお酒の名称が入る連作短編の8話が納められています。
物語の舞台は、富士見ヶ丘商店街のはずれにあるバーで、マスターの<シノ>は、元その筋の人物。そこに集う<私>と、幼馴染で美人の<三木菫子>、神の兵士を辞任するアイルランド出身の神父<ベンソン>のもとに、なにがしらのトラブルがふりかかってきますが、そのたびに<私>の裏の顔をやむなく出さざるを得なくなるという構成です。
その解決方法と結町は、煮たりと楽しめる爽快さでした。