<グーグルロゴ>(39)「猿橋勝子生誕98年」
3月
22日
専門とした「地球化学」とは、地球の環境を、化学的な観点から研究する学問で、地球や惑星の化学組成、地層の化学変化、地球上の化学物質などの研究を行います。
1920年に生まれた彼女は、学問を志しますが、当時は女性が学問の道に進むことは難しい時代でした。
一旦は学業の道を諦めかけますが、1941年、女性のための理学専門学校「帝国女子理学専門学校(現 東邦大学)」が開設されたのを機に、一期生として入学。
卒業後は、中央気象台研究部(現 気象庁気象研究所)で、地球化学者の「三宅泰雄」さんの元で研究を続けました。
1954年にアメリカ軍により行われたビキニ環礁での水爆実験が行われます。(第五福竜丸事件)その影響による大気、海洋汚染を調査。
洋汚染のデータを提示し、アメリカの「放射性降下物は、海水によって薄められるので汚染は心配ない」という楽観的な見解を覆しました。
独自の観測で都合の良い解釈をするアメリカ側に対して、客観的で正確な研究データを提示することで対抗し、納得させるまでに6ヶ月もの期間がかかったそうです。
観測には、水中の炭酸濃度を正確に測定する独自の方法が用いられ、極めて正確でした。
この観測方法は「Saruhashi’s Table:猿橋のテーブル」と呼ばれ、世界的に評価されました。
自然科学分野で顕著な研究業績のあった女性科学者に対して表彰を行う「猿橋賞」を設立し、女性科学者の地位向上に寄与しています。