南米チリ北部のアタカマ砂漠のチャナントール山(5640メートル)の山頂にある標高世界一の天文台で銀河や惑星の起源の観測に向け、光赤外線望遠鏡「TAO望遠鏡」が完成しました。東京大天文学教育研究センターが28日、仮組みをした兵庫県播磨町で報道陣に公開しました。
同山頂は晴天率が高く、宇宙からの赤外線を吸収する水蒸気がほとんどありません。酸素ボンベが常時必要ですが、天体が出すサブミリ波長、短波長での電波観測には絶好の条件です。
同センターは2009年、同山頂で口径1メートルの望遠鏡による観測を開始。銀河系中心部を調べ、ブラックホールの発達などの解明に挑んでいます。
完成したTAO望遠鏡は口径6.5メートル、高さ15メートルで重さ約200トン。赤外線の観察性能は世界最高水準という。広い範囲で、銀河が誕生する際に放たれる光を観測。惑星が誕生する際に中心部付近から出る赤外線も高解像度で見られるようになり、惑星誕生の様子も観察できます。
建設費は約70億円で、来年の観測開始を目指します。他にない高い解像度で新しい宇宙の姿を見られることを期待しています。
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