ファルコン昆虫記(800)【ヤママユ】の幼虫
5月
19日
【ヤママユ】はチョウ目・ヤママユガ科に分類されるガの一種です。ヤママユガ(山繭蛾)、テンサン(天蚕)とも呼ばれています。日本在来の代表的な野蚕で、北海道から九州にかけて分布し、全国の落葉性雑木林に生息しています。
写真では、「アブラムシ」を食べてるように見えますが、肉食の幼虫はいない筈です。
ヤママユガ科のガの成虫は口が完全に退化しており、蛹化以降は一切の食餌を摂らずに幼虫時に蓄えた栄養だけで生きます。
前翅長は70~85mmと翅は厚く大きい。4枚の翅には、それぞれ1つずつ大きな黄茶色で目玉状の模様がある。幼虫はブナ科のナラ、クヌギ、コナラ、クリ、カシ、カシワ、ミズナラなどの葉を食べる。年1回の発生で、出現期は8~9月頃。卵の状態で越冬します。
4回の脱皮を経過して熟蚕となり、鮮やかな緑色をした繭を作ります。繭一粒から得られる糸は長さ約600~700m、1000粒で約250~300g程度の絹糸が採取される。この糸は「天蚕糸」と呼ばれています。