『繭の密室』今邑彩(中公文庫)
6月
28日
元中学教諭<日比野功一>の妹<ゆかり>が20歳が、家庭教師のアルバイトの帰宅時に、何者かに誘拐されたところから物語は始まります。
同時期に、鍵とチェーンの掛かった密室状態の7階のマンションから大学生の<前島>の転落死亡事件が起こり、中野署の<倉田>刑事が現場に急行、本庁から<貴島>が出向いてきますが、二人は第一作目の 『i(アイ)鏡に消えた殺人者』 で女流作家の殺人事件を担当しています。
捜査にあたった<貴島>は、<前島>の仲間として中学時代の同級生<坂田>・<江藤>を調べ出しますが、6年前に<日比野功一>が受け持ったクラス仲間であり、当時彼ら3人のイジメにより自殺した<吉本>という生徒の父親を疑い始めますが、<坂田>は殺され、<江藤>も襲われ、重体で発見されます。
<ゆかり>が行方不明になって一週間後に、彼女は交番の巡査によって保護されますが、事件の結末は意外な所で解決していきます。
推理小説としての構成には、納得できない部分(ネタバレになりますので書きません)もあり、また最後の「エピローグ」が必要なのかなともおもえましたが、それなりに楽しめました。