『探偵はバーにいる』東直己(ハヤカワ文庫)
12月
20日
飲み屋の付けの取立てなど雑な仕事と、トランプ賭博で日銭を稼ぎ、夜な夜なホームグランドである<バー「ケラー・オオハタ>で酒男飲んでいますが、そこへ大学の後輩だと名乗る大学生の<原田>に声を掛けられます。
<原田>の同棲相手の彼女<諏訪麗子>が4日間ほど戻ってこないというので、人探しの仕事を気軽に引き受けてしまいましたが、どうやら彼女の失踪はラブホテルでの殺人事件と絡み、<俺>はススキノの人脈的情報網を駆使して、真相を突き詰めていきます。
洒脱な心地の良い会話と、登場人物たちの個性あふれる性格描写が秀逸で、巧妙に張り巡らされた布石が最後に生きてくる、ハードボイルドが楽しめる一冊です。