『哲学探偵』鯨統一郎(光文社文庫)
9月
26日
本書には8篇の短篇が納められていますが、どれも<高島>と<久保>の取り扱う事件を、<久保>の好きな競馬場で打ち合わせ、その場に居合わせる名もなき馬券師<哲学探偵>が謎を解き明かす構成です。
各章とも、主なG1レースの解説があり、西洋哲学者が多く登場、また現代短歌の名作が楽しめる構成で、ミステリーながら博学の知識が楽しめる構成です。
また各事件の仕掛け作りも奇想天外で、うまく伏線を散りばめながら、それを読み解く<哲学探偵>の明晰な分析が冴えて面白く読み終えれました。