『撃てない警官』安東能明(新潮社)
10月
31日
出世を望む上昇志向を持ちながら、上司の<中田>課長はお咎めもなく、嵌められた立場で綾瀬署に出向きながらも、本庁に返り咲く手段として<中田>課長の弱みを探り始めますが、所轄で起こる様々な事件と遭遇していきます。
現場捜査に出ることが無かった<柴崎>ですが、警察学校時代の上司<助川>が副署長としており、事務仕事だけでない分野での経験を、積み重ねていかざるを得ませんでした。
本書は連作短篇で7話が納められており、ひとつひとつの事件を通して慎重な行動の<柴崎>の成長がみてとれ、この先の展開が楽しみな構成でした。