妻子ある会社の上司と不倫関係にあった30歳の<わたし>は、自暴自棄になって歩いていたところ雷に打たれ、平安時代の17歳の女官<小袖>の体にタイムスリップ、『源氏物語』を執筆している<香子>さまの片腕として働き出します。
本書はプロローグに始まり、「夕顔」・「末摘花」・「葵」・「明石」・「若紫」の5章が収められ、エピローグで終わる構成です。
<紫式部>の『源氏物語』を基本に据え、物語に登場する数々の姫君や事件の意外な真相を、<小袖=わたし>の目線から、軽い筆致とユーモアを交えて描かれています。
<紫の上>に対しては、・・・ロリコンのスケベ親父にまんまと騙されて愛人にされた哀れな女、しかもそのスケベ親父は浮気のし放題だったという何とも救いがたい境遇の女、でしかなかったのだ・・・など、強烈な皮肉の語りが心地よく楽しめる一冊でした。
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