『写楽・考』北森鴻(新潮社文庫)
2月
1日
彼女は異端の民俗学者と呼ばれ、フィールドワークの先々でトラブルに巻き込まれますがが、見事な推理で事件を解決していきます。
研究室助手の<内藤三國>の目線で書かれ、同じ助手の<佐江由美子>共々<蓮丈>の調査先である日本各地へメールで呼び出されては、過去の民俗学の現象とつながる現在の事件にかかわっていきます。
本書には表題作を含めて4篇が収録されていますが、『写楽・考』では著者の作品でお馴染みの「旗師」の <宇佐美陶子> が登場、美術界と絡めて面白くまとめていました。
どの作品も、現在の日本における民俗学の位置づけの目線がしっかりとしていて、あらたに登場した狐目の教務主任<高杉康文>が、いい脇役として登場していました。