『戦場のピアニスト』@NHKーBS
10月
23日
本日<13:00>より「NHK-BS」にて、2002年フランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作製作『原題: The Pianist』が、邦題『戦場のピアニスト』として、2003年2月15日より公開されました作品の放送があります。
第55回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞し、アメリカの第75回アカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚色賞、主演男優賞(エイドリアン・ブロディ)の3部門で受賞している作品です。
1939年、ポーランドの首都ワルシャワはドイツ軍の侵攻を受け、天才ピアニストである「ウワディスワフ・シュピルマン」のキャリアは中断されます。ユダヤ人である「シュピルマン」とその家族は、ワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)への移住を強制され、飢餓、暴力、そして絶え間ない恐怖の中で生活を強いられます。やがて家族は強制収容所へと送られ、「シュピルマン」だけが奇跡的に生き別れます。
彼はゲットー崩壊後、ワルシャワの廃墟に潜伏し、友人や支援者の助けを借りながら、孤独で過酷なサバイバル生活を送ります。食料も水も尽きかけ、精神的にも追い詰められた彼を救ったのは、驚くべきことに一人のドイツ人将校でした。彼は、戦火の中でピアノを弾くことが許されず、常に死と隣り合わせの状況で、生きる希望を探し続けます。戦時下の極限状態における人間の尊厳、残酷さ、そして芸術の持つ力を力強く描き出しています。希望の光がほとんど見えない状況で、いかに人間が心の回復力を発揮し得るかを証明した、記憶に残る感動的な大作です。
「ウワディスワフ・シュピルマン」に<エイドリアン・ブロディ>、「父親」に<フランク・フィンレイ>、「母親」に<モーリン・リップマン>、「ハリナ」に<エミリア・フォックス>、「ヘンリク」に<エド・ストッパード>、「レギーナ」に<ジュリア・レイナー>、「ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉」に<トーマス・クレッチマン>が演じ、監督は<ロマン・ポランスキー>が務めています。監督自身が第二次世界大戦中にポーランドのゲットーで幼少期を過ごした経験があり、この映画は彼にとって極めて個人的な物語となりました。そのため、映画の細部に至るまでリアリティを追求し、ワルシャワの廃墟の風景などは見事に再現されています。








yumirou
田中 久史