先に紹介した 「ストック」 は、同じアブラナ科ですがアラセイトウ属でした。この【バージニアストック】は、マルコルミア属で、「ストック」と名称が付いていますが別属の花です。
原産地は、「ストック」と同じ地中海沿岸です。
「ストック」の一重咲きに似た花を咲かせますので、英名として【バージニアストック】と呼ばれ、正式名称の「マルコミア・マリティマ」で呼ばれることは少ないようです。
花径は1センチと小さいですが、咲き始めは白色で、徐々に桃色や淡紫色に変化していきますので、一瞬違う種類の品種が混ざって咲いているのかと見間違えてしまいます。
4枚の花弁が十字形に開き、可憐な様相を見せてくれる花です。
原産地は地中海沿岸で、ギリシャ時代から栽培されており、古代ギリシャやローマ時代には薬草として利用されていました。
【ストック】は英名で、「幹」や「茎」を意味し、丈夫な茎を持つことに由来しています。
アブラナ科アラセイトウ属の植物ですが、葉が「ラセイタ」=毛織物の一種に似ているということで、<葉ラセイタ>→<アラセイタ>→<アラセイトウ>と変化して、現在では別名「アラセイトウ(紫羅蘭花)」と呼ばれているようですが、これは正式には「オオアラセイトウ」を指す言葉で、正確ではないようです。
山吹色の 「山吹」や「八重山吹」 はよく見かけますが、この【シロヤマブキ(白山吹)】は、中国地方を中心に分布していますので、あまり見かけない品種だと思います。
中国地方においても、数が減りつつある状況です。
葉の縁には鋭い<重鋸歯>があり、葉脈もはっきりしたところは「山吹」と同じですが、「白山吹」の葉は<対生>に付き、「山吹」では<互生>です。
花の花弁は4枚で、「山吹」は5枚ですのでこれまた形が違います。
同じバラ科ですが、「白山吹」はシロヤマブキ属で「山吹」はヤマブキ属」ですので、相違点が当然出てきます。
「八重山吹」は種子を付けませんが、この「白山吹」は<痩果状>の果実を付け、熟すと赤色から光沢のある黒色の実を、一花に四個づつ実らせます。
この時期、まだ黒い実を付けて花を咲かせておりました。
春の季語でもある【ヤマブキ(山吹)】ですが、見かけるのは豪華に見える【八重ヤマブキ】が多いようにおもえます。
バラ科ヤマブキ属ですが、属としてはこの本種のみの一種しか属していません。
原産地は日本・中国で、広く庭木として愛されているようで、わたしの生まれた実家の庭にもあり、たわわに垂れ下がった枝に咲いていたのを思い出します。
落葉低木種ですが、茎は細くやわらかく、風が吹きますとよく振れますので「山振」とも表記されたこともあるようです。
花の形状は一重(写真左)と八重(写真右)に分かれ、一重は5弁花で結実して実ができますが、八重は実が出来ません。
「バラ」や 「ムクゲ」 と同様に、一重と八重の花姿は、同じ種類の花とはとても思えません。
南アフリカ原産のキク科の花は多種ありますが、この【コツラ・バルバータ】もそうです。
コツラ属に属しており、園芸店では「花ほたる」の名で流通しているかもしれません。
そのほかに、「ハッピーレモン」・「カゲロウソウ」とも呼ばれている花です。
クッションのようにふさふさと茂った葉から、面が平らなボンボン状の黄色の花をたくさん咲かせます。
花径は、大きくても1.5センチ程度です。
キク科特有の舌状花はなく、筒状花だけという面白い形をしています。
茎が細く、風が吹きますとゆらゆらと頼りなさげに揺れていますので、はかない命の「ウスバカゲロウ」や「ホタル」のイメージが似合うのかなと、見て考えてしまう花です。
マメ科アカシア属の【アカシア】の花は、「アカシア:モニカ」 や 「ギンヨウアカシア」 に代表されるように、見事なこがね色の黄色をしています。
この【ホワイトサローワトル】は、淡い黄色の花で、円筒状の花をたくさんつけます。
かなり長めの細い葉が特徴的で、風に揺れる姿から別名「ヤナギバアカシア(柳葉アカシア)」と呼ばれる所以です。
某ケーキ屋さんの駐車場に植え込まれていますが、眺めていますと甘いケーキの香りが鼻をくすぐり、じっくりと眺めることはできませんでした。
キク科ミヤマヨメナ属の【ミヤコワスレ(都忘れ)】です。
別名「野春菊」、また「東菊」とも呼ばれています。
山野に自生する「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」の日本産園芸品種で、開花としては5~6月頃が主な時期です。
花弁の色も、青紫いろをはじめ、青色・白色・桃色等豊富です。
承久の乱にて佐渡に幽閉(1221年7月)された順徳天皇が、この花を見ると都への思いを忘れられるという逸話が有名ですが、その当時にはまだ【ミヤコワスレ】はありません。
今のように園芸品種が多様な時代ではありませんので、当時としては原種の「ミヤマヨメナ」だったのかもしれません。
<ワスレナグサ(勿忘草)>は、ムラサキ科のワスレナグサ属の種を広く指す総称です。
原産地はヨーロッパで、俳句の世界では「春の季語」として扱われています。
日本には、明治時代に渡来しています。
1センチほどの小さな5弁の花ですが、密集して咲いていますので、見栄えがする花です。
花は<サソリ型花序>の形状で、花の先端はサソリの尾のように巻き状態ですが、開花と共に真っ直ぐになるという、面白い咲き方を見せてくれます。
「キンギョソウ(金魚草)」 と同じゴマノハグサ科ですが、「姫」とつく名前通り、花径は1センチにも満たない大きさで、属はリナリア属になります。
原産地は、北アメリカ・ポルトガル・スペインです。
学名についているLinaria(リナリア)は、ギリシャ語の「Linon(亜麻)」が語源で、この亜麻という植物に似ていることに因み、また、亜麻から採取する繊維をリネンと呼んでいます。
【リナリア】の品種も、<グッピー系>と呼ばれる草丈が20センチほどしかならない矮性でパステル調の花を咲かせるもの、<ヘロン系>で切り花用としての高性種、そしてこの写真の<フラメンコ>と呼ばれている、鮮赤色に下弁が黄色のコントラストが強烈な花に分類されています。
(鮮赤+黄)色の花、まさにエネルギィッシュなフラメンコの躍動感そのものの花姿です。
原産地は地中海沿岸から中欧にかけてですが、すでに日本では帰化植物として、路傍や空き地などに多く見かける花になりました。
ケシ科ケシ属の植物ですが、栽培が禁止されている「ケシ」ではなく、阿片成分の<アルカロイド>はありません。
花弁の色は紅色もしくは橙色をしており、基本的には4花弁ですが、多少の変動種も見受けられるようです。
雄しべは多数あり、中央部の雌しべの柱頭は4~8本の筋状をなしており、7・8本の筋を多く見かけます。写真の柱頭には、5本の筋が見えています。
この筋の数の違いを探しながら、花を観察するのも楽しみの一つです。
「ヒナゲシ」に比べて果実(芥子坊主)が細長く、和名の「長実雛芥子」はここからきています。
栽培してよい「ケシ」には、「葉」に毛があり、また「葉」の基部が茎を抱いていませんので、すぐに見分けがつくはずです。
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