25日午前の東京外国為替市場で、円相場は下落でした。12時時点は「1ドル=142円95〜97銭」と前日17時時点と比べて38銭の円安・ドル高でした。12時半前に「1ドル=143円25銭」近辺まで売られています。
日米財務相会談では為替目標について議論されませんでした。米国から円安是正が求められるとの思惑が後退し、円売り・ドル買いが出ています。米中貿易摩擦が緩和されるとの期待感から、投資家心理が改善しており、日本株高と歩調を合わせるように「低リスク通貨」とされる円には売りが優勢でした。
<加藤勝信財務相>は24日(日本時間25日)、米ワシントンで日米財務相会談後に記者会見し、「米国から例えば為替水準の目標や、それに対する枠組みの話は全くなかった」と語っています。<ベッセント米財務長官>は23日、関税を巡る日米交渉で「特定の通貨目標を求める考えはない」と述べており、米国側から円安是正を迫られるとの警戒感は後退していました。24日の日米財務相会談でも為替目標については議論がなかったと伝わったことで、安心感から改めて円売り・ドル買いが出ています。
米中の貿易摩擦が緩和するとの期待感から前日
24日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇でした。米株高を受けて、25日の日経平均株価は一時600円あまり上昇するなど、投資家心理が上向いたことも円売り・ドル買いを促しています。25日は事業会社の決済が集中する「5・10日」にあたり、輸入企業など実需筋の円売り・ドル買い観測も相場を押し下げています。