2019年3月18日に92歳で他界した名脇役<織本順吉>の最晩年の姿を、娘である<中村結美>監督がとらえたドキュメンタリー『うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生』が、2025年3月29日より公開されます。
日本映画に欠かせない存在として、約70年にわたり2000本以上ものテレビドラマや映画に出演し、地味ながら情感あふれる脇役を演じ続けた<織本順吉>です。しかしその一方で、家族とともに生きられない一面もありました。
そんな父への復讐心からカメラを向けはじめた<中村結美>監督は、老いて身体の自由が利かなくなり、セリフ覚えが悪くなり、感情を抑えられず家族相手に子どものように泣きわめく晩年の父の姿を、4年間にわたり撮り続けます。それはカメラを間に挟むことでようやく向きあえた父と娘の記録でもありました。
ひとりの俳優がどのように人生の最期を迎えるのか、家族とどう向きあってきたのか、娘の視点から赤裸々に映しだしています。