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今年の読書(34)『刑事の枷』堂場瞬一(角川文庫)

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今年の読書(34)『刑事の枷』...
本書『刑事の枷』は、2021年1月に刊行され、2024年2月25日に文庫本として発売されています。
 
「忠告だ。影山には近づくな」。
川崎中央署の若手刑事「村上翼」は、管内で起きた人質事件をきっかけに、本庁から来た傍若無人なベテラン刑事「影山康平」に目をつけられ、捜査とは関係なく、「影山」地震の捜査の手足として強引に連れ回されるようになります。
 
身内仲間の不祥事を観察官に暴いたことで、署内の誰からも〈裏切り者〉と敬遠されている「影山」で、だれからも「影山には近づくな」と言われています。実は10年前に起きた未解決の殺人事件を独自に捜査し続けていると知り、「村上」も事件解明へと乗り出しますが、その矢先、新たな殺人事件が発生します。
 
被害者の身元もわからず捜査は難航するかと思われまあしたが、「村上」は2つの事件のつながりに気づきます。
 
さいごまで、「なぜ、影山は裏切り者と呼ばれるのか」の疑問を残しながら、10年前のストーカー殺人事件と、新たな事件を交差させながら、刑事としての執念を見せる「影山」と、新人刑事の「村上」の掲示としての成長を描き、430ページ最後まで一気に読ませる構成でみごとな警察小説でした。
 
今後は、刑事として場数を踏んだ「村上翼」が活躍する再登場を、遠距離恋愛の「長瀬花奈」とのその後も気になるところで、期待しています。
#ブログ #文庫本 #読書

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