ファルコン昆虫記(1014)【ニセヒメクモヘリカメムシ】
7月
26日
今回はホソヘリカメムシの一種【ニセヒメクモヘリカメムシ(偽姫蜘蛛縁亀虫)】と遭遇しました。体長15ミリ、全身褐色。頭部と胸部の長さが同じです。同属の「ヒメクモヘリカメムシ」に良く似た形態ですので、和名に「ニセ」を冠しています。
両者は頭部の側葉と中葉の長さが異なり、側葉と中葉がほぼ同じ長さなのが「ヒメクモヘリカメムシ」で、【ニセヒメクモヘリカメムシ】は頭部側葉の先端が中葉よりも大きく突き出しています。
国内に生息しているヒメクモヘリカメムシ属は、【ヒメクモヘリカメムシ】と【ニセヒメクモヘリカメムシ】の2種です。
「ヒメクモヘリカメムシ」はより標高の高い環境に生息し、クマザサやスズタケに寄生します。一般にはあまり馴染みでない種ですから、クマザサやスズタケの生育しない低地で見かけたら、【ニセヒメクモヘリカメムシ】と思って頭部の側葉と中葉の長さを良く観察した方が確実です。
小さな昆虫の更に細部の少しの違いで、種が全く異なるのですから、昆虫の同定は実にややこしいものです。