ファルコン昆虫記(828)<フキバッタ>
6月
6日
林縁の下草の上で見ることができるバッタ科フキバッタ亜科のバッタで、普通は成虫になると翅ができるのですが、<フキバッタ>の場合、翅が退化している翅の短いことが特徴になるバッタです。翅が短いので成虫になっても幼虫に見える変わった姿をしています。<フキバッタ>を知らないと翅がないので、まだ幼虫のバッタだと思ってしまいます。
珍しい種類でもなく個体数は多く、普通に観察できる種類です。食草は名称通り「フキ」や「クズ」の葉を食べます。<フキバッタ>の仲間は翅が短く移動が難しいため、地域的な特徴をもった個体群に分かれています。神戸ということで今まで 「セトウチフキバッタ」 としていましたが、外見上では判別できない種類も多いので、総称的に<フキバッタ>と呼ぶ方が間違いがなさそうです。
どの種も同じように目ますが、翅の形や後肢腿節が青白い色をしていたり、赤い色をしているなど、細かな違いはあります。最も腿節に見える色には個体差も多いようです。以前は北海道に住む「フキバッタ」と本州の「ミヤマフキバッタ」に分けられていたのですが、細分化されて種類が増えました。特に本州に住む<フキバッタ>の分類(種の区別)が難しいので、自分の地域に生息している種類を把握してからでないと、同定も困難になってしまうと思います。種類が重なっている地域だと<フキバッタ>の体長には個体差が多いようなので、さらに悩んでしまいます