今年の読書(8)『 国家簒奪』濱嘉之(文春文庫)
2月
8日
名古屋・栄のマンションで、花沢組の若頭が、麻薬取引に使われたアタュシュケースに仕込まれたプラスティック爆弾で爆死する事件を発端として、韓国マフイアや中国マフイアの現状を背景に、公安部の<青山>を中心とする同期3人の仲間の活躍が、現在の警察組織を描きながら、世界の中で日本が置かれている社会状況を重ね合わせ、現実感迫る内容で読者を楽しませてくれます。
本書は、(2017年1月)刊行ですが、東京都のオリンピックや豊洲問題、トランプ大統領などがタイムリーに登場、元公安刑事だった著者の情報分析力は、さすがだなと感心しながら読み終えました。
いよいよ<青山>も結婚に至りそうで、次作では、新婚家庭を背景に物語が進むかもしれません。