今年の読書(5)『クラン Ⅲ』沢村鐡(中公文庫)
1月
26日
本書では、渋谷駅で発生した神経ガス噴射事件は、過激環境保護団体<LLF>のテロ行為ということで、公安部の<区界>とFBIの<ワイズ>捜査官が登場、テロ現場に居合わせた<晴山>並びに<岩沢>から事件の解明を試みますが、闇組織の長である「神」の手掛かりは見つかりません。
闇組織の調査に一人で立ち向かい射殺された<北森>刑事は、ジャーナリスト<六原>に資料を渡していたのが分かり、裏金の金庫番は、次期捜査一課課長とされる<上郷>の上司<洞泉>だと判明するなか、「神」の存在を<岩沢>に知らしめたヤクザの親分が射殺されてしまい、「クラン」ノメンバーは犯人<新月>元捜査一課長を追って劇場「ディライト」まで追い詰めますが、<新月>は拳銃での自殺体として発見され、事件は混とんとしたままで「クラン Ⅳ」に続きます。