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- 今年の読書(116)『泥ぞつもりて』宮木あや子(文春文庫)
本書には表題作の『泥(こひ)ぞつもりて』 ・ 『凍(こぼ)れる涙』 ・ 『東風吹かば』の中篇作品が連作として3篇納められています。
物語は、第56代<清和天皇>の正妻<高子>と女御<源暄子>との関係から始まり、第57代<陽成天皇>、第58代<光考天皇>、第59代<宇多天皇>と歴代は流れていきますが、政治の権力争いの男の世界と、その政略結婚に翻弄される女たちのせつない恋情を絡めています。
平安時代の<律令制>の政治を背景として、男と女の複雑な人間関係が繰り広げられる時代絵巻物で、本書の面白さを数行で紹介する技量は持ち合わせていませんが、緻密な時代考証と登場人物たちの心の綾が見事に表現されていて、いい時代小説に当たりました。
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