検視官<スカーペッタ>シリーズ第15作目が本書です。
全米女子テニス界の16歳のスタープレーヤー<ドリュー・マーティン>が、旅行先のローマで殺害され、くりぬかれた眼窩には砂が詰め込まれていました。
<スカーペッタ>は心理学者の<ベントン>と共にローマに飛び、事件の調査に乗り出します。
ローマでは<ベントン>から婚約指輪をもらった<スカーペッタ>ですが、20年来にわたり彼女の仕事を補佐し想いを寄せている<マリーノ>は、交際中の<シャンディ>の陰謀にはまり、<スカーペッタ>の指輪を見て、酔った勢いで彼女に襲い掛かります。
並行して幼い女の子をプールで亡くした<リデイア>が行方不明、前作で登場した精神科医<マリリン・セルフ>と担当医の間で取り交わされたメールから、犯人はもとイラク派遣兵の<ウィル・ランボウ>だとわかりますが、彼は<マリリン>の息子でした。
複雑な親子関係を軸として、フロリダからサウスカロライナのチャールストンに引っ越し周辺環境の違いに戸惑いを隠せない<スカーペッタ>の心情が見事に描かれた一冊でした。
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