あくどい金利で金貸しを営んでいる三軒町の<お吟>の家に、うまく潜り込んで金貸し業を手伝う<浅吉>ですが、<お吟>の貯め込んだ金を横取りしようと考えていますが、真意はわからないまま物語は展開していきます。
タイトルにある「烏金」とは、朝方烏が鳴くのに合わせて金を貸し、夕方烏が鳴くと共に利子を付けて返却することを意味しています。
金貸しの立場におりながら、なぜか<浅吉>は金利計算や商売のイロハを知らない借受人に対して手助けをして、なんとか借金地獄から抜けださせようと奮闘、また身寄りのない子供たちにも生活の基盤を築くように導いていきます。
<浅吉>には、なついている<勘三郎>という烏がおり、タイトルと同様に重要な脇役として登場、気の利いた立ち回りを担っています。
江戸時代の金貸し業の内容や両替レートなども詳しくかかれ、<浅吉>と<お吟>の関連も意外な結末としてまとめられ、小気味よい文章が楽しめました。
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