『スクープ』今野敏(集英社文庫)
2月
25日
定例会議には遅刻や欠席をするという、素行には問題がありますが、独自の取材ルートで班員逮捕の現場をスクープしていきます。
強引な捜査で時には身の危険を感じさせる場面もありますが、お互いの立場を認め合う警視庁捜査一課<黒田裕介>との共同戦略で、危機を乗り越えています。
本書には<布施>のスクープ七話が収められており、「住専問題」や「ドラッグ」・「援助交際」と言った社会性を含んだストーリーが楽しめます。
<黒田>刑事との駆け引きや、東都新聞社会部記者<持田豊>などの脇役も人間性があり、市井的には縁がない事件を身近な現実として感じさせる著者の手腕が光っていました。