今年の読書(14)『オサキと江戸の歌姫』高橋由太(宝島社文庫)
2月
1日
本所深川にある唐人神社には、<小糸>という娘が祭られていますが、大川が大雨で溢れそうなときに、<小糸>が『十人の仔狐様』という十番ある数え唄を歌うと雨が止むという言い伝えが残っていました。
この数え唄を歌う十人組の「本所深川いろは娘」が江戸の町の人気を集めていましたが、そのうちの一人<小桃>が行方不明になり、大川で死体となって発見されます。
欠員の出来た穴を埋めようと、主人公<周吉>が手代をしています古道具屋の娘<お琴>が、「いろは娘」の元締め<市村>に担ぎ出され、付き人として手代の<周吉>が仕えるなか、次々と「いろは娘」が謎の死を遂げてゆきます。
<オサキ>というのは、手代<周吉>にとりついた妖狐のことですが、タイトルに出てくるほどには存在感がありませんでしたが、前作の三作を読まないといけないのかもしれません。