宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day8)「心地よさを生むコミュニケーションの距離感(2)」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続いて、宮田穣著の

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めながら、私がキーポイントだと感じる部分を記して行きます。

今日のテーマは昨日と同様、

心地よさを生むコミュニケーションの距離感(2)

昨日は、下記章立ての
「1.コミュニケーションの距離感」
「2.パーソナル・スペースへの配慮」
を読み終えたので、今日はその続きです。


章立て
(1.コミュニケーションの距離感)
(2.パーソナル・スペースへの配慮)
3.お互いを見守る関係
4.「リッチネス」を敢えて下げる
5.オープンな組織風土をいかに作るか


3.お互いを見守る関係

(1)相手のことを「見守る」ためには、一定の距離を置いておくことが必要。ただし無視するのではなく、相手からのサインを見逃さないことが大切。

(2)相手からのサインは直接・間接、様々なものに現れ、様々な形で受け取ることが出来る。

(3)見守っていることを相手に示す、ことも重要。「サンクスカード」を活用する職場もある。

(4)サンクスカードはコミュニケーションの観点として、リッチネスを敢えて落とす方法である。

これはさりげない姿勢を示す、という効果が得られる。一定の距離を置きつつ、常に見守っていることを相手に伝える場合は、相手に受け入れられやすい。


4.「リッチネス」を敢えて下げる

(1)「付かず離れず」の距離感をコントロールする、という点でサンクスカードのように「リッチネス」を下げる方法もある。

(2)「てがかりを減らす」方法として例えば、メールで相手をさりげなく励ます際には、一言二言添えるだけで充分。

(3)コミュニケーションの「やり取りに時間をかける」という方法もある。例えば「礼状」を出すなどが該当する。

(4)「匿名」であることを活用する方法としては、相手の警戒感を取り除くために匿名で、不満や課題を聞き出すアンケートや聞き取りを実施する方法が挙げられる。


5.オープンな組織風土をいかに作るか

(1)基本情報として、お互いのことがある程度分かっていることが必要。即ち、組織メンバー全員に関するリッチネスを底上げしておく。

(2)そのためには、一人一人を紹介する機会や場が必要である。「社員総会」はフォーマルな機会に当たるが、一方でインフォーマルな場を設定することも重要。

(3)職場での「雑談」も非常に重要。雑談は職場のコミュニケーション風土の「リトマス試験紙」のようなもの。

(4)オープンな組織風土を醸成するためには、雑談のようなインフォーマルなものに加えて、ある程度の強制力のある、全員で情報を定期的に共有する場も必要である。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day7)「心地よさを生むコミュニケーションの距離感(1)」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日はこのシリーズをお休みでした。そこで今日も一昨日に続いて

宮田穣氏著の

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めて行きます。


今日のテーマは

心地よさを生むコミュニケーションの距離感


章立て
1.コミュニケーションの距離感
2.パーソナル・スペースへの配慮
3.お互いを見守る関係
4.「リッチネス」を敢えて下げる
5.オープンな組織風土をいかに作るか


1.コミュニケーションの距離感

(1)コミュニケーションの心地よさ

①親しい相手とは「豊かな」コミュニケーションを通して、密接な距離感を持つことが心地よさに繋がる。

②それ以外の相手とは「付かず離れず」の関係を保つことで、心地よさが維持される。

③つまり「心地よい」コミュニケーションと「豊かな」コミュニケーションとは必ずしも一致しない。

④従って様々な相手とのコミュニケーションは、相手との関係性によって距離感をコントロール出来ることが、心地よいコミュニケーションには不可欠。

⑤そのためには、双方にとって必要なコミュニケーションの質やメディアを意識し、適切なメディアを活用する。これらのバランス感覚が大切である。


(2)「付かず離れず」の関係

①心地よい距離感が保たれている職場例

- 仕事が分業体制で、業務のかなりの部分が担当者に任されている。

- お互いの業務状況を共有するために、毎朝たっぷり時間をかけて朝礼を実施。

- 仕事中は結構雑談が多い。上司も業務中にダジャレを連発している。

- 新入社員へ教育係の先輩社員が付いているが、仕事のやり方を一方的に押付けるのではなく、新入社員にも自分で考える時間を与えて仕事をさせる。

困った時には教育係はもちろん、他の先輩社員からも助言をもらえる。

(少し突き放した感じが相手のやる気を引き出している。といった「パーソナル・スペース」に配慮している。)


②心地よさが保たれていない職場例

- 朝礼などは上司から一方的で形式的。

- 担当業務は明確に割り振られていて、自分の仕事だけに打ち込む雰囲気。

- 先輩社員から仕事は振られるが、説明はあまりない。

- 頻繁にメールでの報告ばかりを求められる。

- 仕事で困っても周りは忙しそうで相談できず、一人ほおって置かれた感じ。


2.パーソナル・スペースへの配慮

(1)「パーソナル・スペース」とは、一人一人が持っていると考えられる空間で、人の体を直接に取り巻く、目で見ることのできない空間領域である。

(2)パーソナル・スペースは言い換えると、一人一人の抱く心地よさを維持する「なわばり」のようなもの。

社交的な人は恐らく、パーソナル・スペースは小さく、一方、人見知りする人は大きいと考えられる。

(3)相手との心地よい関係を保っていくためには、相手のパーソナル・スペースを知ることが重要。

そのためには相手の「非言語コミュニケーション」に注意を払い、表情やしぐさなどを通して相手の心の内を丁寧に推し量ることが求められる。


今日はここまで。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお



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身の回りの「エッセンシャル・ワーカー」

身の回りの「エッセンシャル・ワ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日は久しぶりの日差し。ここ2,3日雨続きだったので、この晴れ間は貴重。

ベランダで私は、洗濯物を干していた。我が家で洗濯は私の係。毎朝の洗濯物干しは私のルーチンである。

干している洗濯物の向こうに、トラックに乗ったおじさんが2人見えた。忙しそうに何かをトラックに運び入れている。こんな朝早くに? 

あー、そうか、ごみ収集だな!

市から委託を受けて、ごみ回収をしている業者のおじさんたち。

額から汗が噴き出ている。

一人のおじさんとちょっと目が合ったが、私は話しかけるのを少し躊躇っていた。

「8キロくらい、瘦せるんだよね!」

と誰に伝えるという訳でもなく、そのおじさんは呟いた。

私は反射的にこう言葉を返した。

「そんなに痩せてしまうものですか?」

最近は少し涼しくなったとはいえ、今日も日中は30度近くになりそうな太陽からの日差し。よっぽど体にこたえるのだろう。

私の言葉におじさんはこう答える。

「そうなんだよ!特に最近はコロナのせいで、こんな段ボールごみが増えてね....」

Amazonと印字されている、大きな茶色の段ボールの束を指さした。

トラックの下で作業するもう一人のおじさんから、手際よく段ボールを受け取り、トラックの荷台へ積んでいく。

そしてまた、積んでいく。まだまだ積んでいく。荷台がはちきれんばかりだ。

私は洗濯物を干しながら、おじさんたちの手際よい作業を何と気なしに見ていた。額から汗が落ちるのがまた見えた。

「おー、そろそろ行くぞー!」

一声かけてそのおじさんは、トラックの運転席に座ってエンジンを始動させた。

一瞬こちらに視線を向けたので、私は

「お気を付けて!」

とだけ声を掛けた。

無言だったが、そのおじさんは笑顔を私に返してくれた。

彼らこそが、エッセンシャル・ワーカー、だ。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお


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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day6)「リアルな場のコミュニケーション(3)」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続いて、宮田穣著

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めて行きます。


今日のテーマも昨日の続き、即ち

リアルな場のコミュニケーション(3)


下記、章立ての「1.朝:朝礼」及び「2.昼:社員食堂」は、昨日までに読み進めましたので、今日は

3.夜:社員寮・独身寮
4.社内行事
5.リアルなコミュニケーションにしか生み出せない関係

の残り3つを記述します。


章立て
(1.朝:朝礼)
(2.昼:社員食堂)
3.夜:社員寮・独身寮
4.社内行事
5.リアルなコミュニケーションにしか生み出せない関係


3.夜:社員寮・独身寮

(1)今どき少し古臭いかも知れないが「寝食を共にする」というもの。一方、職場では直接関わりのない部署の少し上の先輩に、会社の裏側も含めて様々なことを教えてもらう機会。

(2)昨今は逆に、独身寮を復活させる動きもあるとのこと。

(3)独身寮での生活は、20~30代社員の一定の年齢幅での人間関係を密にし、「タテ・ヨコ・ナナメ」の関係を築く場として有効。

(4)そして独身寮で育てられるインフォーマル・コミュニケーションを、仕事現場で求められるフォーマル・コミュニケーションにも活かすことが出来る部分が多い。

(5)コミュニケーション・ツールとして独身寮を活用する、という考え方もある。

敢えて「共同浴場」「共同の食堂」を半ば強制的に使用させることで、他人と話す機会や交流する経験を体感してもらう。

(6)具体的には、①寮長と寮生との対話の場を創る。②独身寮でイベントを開催する。


4.社内行事

(1)一体感を醸成する組織イベントで、フォーマルなものとインフォーマルなものがある。目的は「コミュニケーションの向上」「連帯感や一体感の醸成」。

(2)全社員による「社員総会」:
これは一種の年中行事、いわゆるお祭り的なものでもある。終了年度の業績を共有したり、年間表彰を行ったり、また翌年度の計画や目玉行事を伝達する。

エンターテインメントやゲームを行って、社員同士の親睦を図る意図もある。

(3)社員旅行:
毎年国内へ社員旅行。5年に一度は全社員で海外旅行へ、という素晴らしい?会社も存在する。


5.リアルなコミュニケーションにしか生み出せない関係

(1)朝礼、社員食堂から独身寮・社員旅行など「リアルな場」でしか味わえないものは、全て自分の「身体」が関わっていて、自らの五感を通して様々な情報を体得することになる。

(2)これは必然的に理解や納得は深くなる。「腹落ち」する感覚になる。それぞれの参加者各人が感ずることによって、組織としての「まとまり」や「つながり」が実感しやすくなる。いわゆる「同じ釜の飯」を食べた仲間の感覚に通ずる。

(3)一方でリアルなコミュニケーションはややもすると息苦しさを伴うこともある。リアルならでは良さと息苦しさを勘案して、心地よいコミュニケーションや心地よい関係を築くにはどうしたら良いだろうか?


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお


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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day5)「リアルな場のコミュニケーション(2)」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続き、宮田穣著

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めながら、私がキーポイントと感じた部分を記述して行きます。

今日のテーマは昨日の続き、即ち

リアルな場のコミュニケーション(2)

下記、章立ての「1.朝:朝礼」は昨日読み進めましたので、今日は

「2.昼:社員食堂」


章立て
(1.朝:朝礼)
2.昼:社員食堂
3.夜:社員寮・独身寮
4.社内行事
5.リアルなコミュニケーションにしか生み出せない関係


2.昼:社員食堂

(1)ランチは多くの人にとってささやかな楽しみ。NHKの昼のある番組でも、同僚と一緒にランチをする様子を紹介している。

(2)無料の社員食堂を設置する企業も存在する。無料の狙いは、従業員の健康管理やリラックスできる場所の提供、インフォーマル・コミュニケーション不足の解消など。

(3)社員食堂は単に昼食を取る場から、「コミュニケーションの場」へと位置づけを変えつつある。会社の合併を機に両社の人の交流を促進させる意図を持って、社員食堂をリニューアルする企業もある。

(4)しかし単に社員食堂にカネと手間を掛ければ、社内のコミュニケーションが充実するわけではない。

インフォーマル・コミュニケーションの価値を認め、それがフォーマル・コミュニケーションにも好影響を与えていく、という確信が持てれば、社員食堂がまさにコミュニティの広場や市場のような存在になるのではないか?

(5)少し特殊なケースかも知れないが、あるインターネット関連企業では社員食堂を24時間オープンとしている。

単に食事をする場所から、「コミュニケーション・スペース」という位置づけ。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお


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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day4)「リアルな場のコミュニケーション(1)」

朝礼? 朝礼?
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続いて、宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読み進めて行きます。今日のテーマは、

リアルな場のコミュニケーション

今日は、企業現場での様々な取り組みを、リアルなコミュニケーションという切り口で見て行きます。

具体的には一般的な組織の日常をイメージして、一日の流れに沿ってリアルな場面を挙げて行きます。

章立て
1.朝:朝礼
2.昼:社員食堂
3.夜:社員寮・独身寮
4.社内行事
5.リアルなコミュニケーションにしか生み出せない関係


1.朝:朝礼

(1)朝と言えば「朝礼」。朝礼と聞くと、退屈でエライ人からどうでも良いことを聞かされ、ひたすら時間が過ぎるのを耐える場だと否定的な想いを持つ人も多い。

(2)しかし、朝礼をというコミュニケーションの場を、意味のあるものとして位置づけ、継承している企業は少なく無い。2つの実例を挙げる。

①自社の「企業フィロソフィー」を使った話し合いをする:

- 社長から提示されたテーマをチームごとに討議して発表する。

- 発表に対して別チームから意見を出してもらう。

- 「対話」を通じて社員に考える力や「聴く力」を養ってもらう場でもある。

- 毎朝、職場の仲間と質の高いコミュニケーションを繰り返すことで、朝からリッチネスを高いレベルに底上げて、仕事をスタートさせる。


②日本一長い朝礼:

- 平均して60分、最長は3時間。

- 朝礼は毎日するが、週二回は「全社朝礼」で、全事業部の社員が全員集合する。

- 内容はお客様の声の紹介や社員同士の感謝の共有、体操、社員個人の思い出話の共有。

- 最後に自社の経営理念を共有して終わる。

- 社長によると「朝礼はスイッチオンの場。朝出社して、さあ、これから仕事するぞ!というモチベーションを高める場」とのこと。


(3)上記から期待される「朝礼」の目的・効果

- 朝礼は作業を「仕事」に変える場

- ES(従業員満足)がCS(顧客満足)を高める

- 従業員のための理念教育の一環

- パートタイマーも含めた全従業員への学びの場

- コミュニティ意識の向上

- フォーマルな要素とインフォーマルな要素の両方が組み込める場



続きはまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day3)「コミュニケーションの豊かさ」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
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こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続いて、宮田穣著の「組織に効くコミュニケーション」を読み進めながら、私がポイントだと感じる部分を記述していきます。

今日のテーマは、

コミュニケーションの豊かさ


章立て
1.コミュニケーションの豊かさとは
2.「対面」でのコミュニケーション
3.「メディア・リッチネス」という概念
4.等身大のコミュニケーション


1.コミュニケーションの豊かさとは

(1)コミュニケーションに関して「豊かさ」を定義・測定するのは簡単ではない。
しかし、「話が上手い」「話しぶりに独特な雰囲気を感じる」「あの人にはついつい何でも話してしまう」など、定性的は表現することは出来る。

(2)一つ言えるのは、コミュニケーションの前後で、自分が何かしら「変化」していることを実感できること。

(3)コミュニケーションの豊かさには、そのコミュニケーションに関する様々な要素(手がかり)が多様に含まれていて、そのブレンド具合によって決まる。

(4)その多様な手がかりは、話し手のイメージと聴き手のイメージのずれを小さくし、互いに共有できる部分を大きくする。

共感や感動が生まれるのは、共有された部分の内容に伴う魅力に依存する。

(5)経営危機に陥った企業が、社員の自主的な判断と行動によって危機を乗り越える姿の根底には、社員全員が議論を重ねて明文化した「企業理念」が、お題目ではなく社員一人一人の心の中に息づているからである。

(6)組織でのコミュニケーションの豊かさは、基本的な事柄が組織文化として共有出来ていれば、多くを語り合わなくとも、お互い共有したイメージの下で一体感のある行動が取れることからも窺い知ることができる。


2.「対面」でのコミュニケーション

(1)「対面」でのコミュニケーションが豊かだと感じるのは、人間そのものが「情報の宝庫」だからである。身振りや手振りはもちろん、「目は口程に物を言う」などの表情から多くの事が伝わる。

(2)しかし対面でのコミュニケーションは、①手間と時間がかかる、②相手から多くの情報を引き出すためには、場数とそれなりのトレーニングが必要。


3.「メディア・リッチネス」という概念

(1)組織でのコミュニケーション研究の分野で、1980年代のアメリカで考え出された「メディア・リッチネス」理論というものがある。

(2)メディア・リッチネスは、色々なメディアが本来持つ「潜在的な伝達力」に基づいている。

伝達力は、①迅速なフィードバックの入手可能性、②多様な手がかりを同時に運ぶ能力、③個人にどの程度焦点を当てているか、の3つの視点で判断する。

(3)主要な下記伝達メディアのリッチネス度合いは以下の通り。

高いから低いの順に並べると(カッコ内はリッチネス度合いの相対評価レベル)、

対面関係(100)ーテレビ電話(60)ー電話(30)ーボイスメール
ー電子メール(10)ー私信(手紙・メモ)ー文書(報告書・書籍)

(4)リッチネスを高める工夫は、対面の機会を増やしていくことは当然。一方、それが難しい場合は、リッチネスの低いメディアを複数組み合わせることで可能となる。

(5)相手によっては効果的なメディアは異なり、また、利用するメディアによってコミュニケーションの質も異なってくる。


4.等身大のコミュニケーション

(1)コミュニケーションの定義を「相手との関係を築き、お互いを変えていく行為」とするならば、相対評価レベル(50)を越えたコミュニケーションを「等身大のコミュニケーション」としたい。

(2)これを実現するためには「対面」の半分以上のリッチネス(即ちレベル50)になるように、いくつかのコミュニケーションを組み合わせていくことが必要である。


ではまた明日!
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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day2)「組織とコミュニケーション」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に続いて、宮田穣氏の著書

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めて行きます。今日のテーマは

組織とコミュニケーション

章立て
1.組織にとってコミュニケーションとは
2.コミュニケーション不全はなぜ発生?
3.広がる心の病
4.コミュニティ意識とコミュニケーション
5.組織も「断片化」する


1.組織にとってコミュニケーションとは

(1)そもそも組織とは、「2人またはそれ以上の人々の、意識的に調整された諸活動または諸力のシステム」即ち「協働システム」と定義される。

そしてその成立条件は、①コミュニケーション、②貢献意識、③共通目的、である。

(2)仕事の仕方の変化によって、コミュニケーションの仕方も変化する。

(3)組織においてはコミュニケーションがしっかり成立しているかどうかが重要。

(4)組織でのコミュニケーションには、①フォーマル・コミュニケーション、と②インフォーマル・コミュニケーションがある。

①は「報連相」に代表されるもの。②は仕事や役割というより、職場での人間関係に直接関わるもの。例えば「ランチ仲間」間の情報交換のようなもの。

(5)どんな組織においても①フォーマル、と②インフォーマルの両方が必要である。


2.コミュニケーション不全はなぜ発生?

(1)コミュニケーション不全が起こる原因の一つは、コミュニケーション・ギャップ。

(2)組織を人間の身体に喩えられることがよくあるが、血液の流れに該当するのが情報の「風通しの良さ」。自律神経に当たるものは様々な「バランス感覚」と言える。

(3)コミュニケーション・ギャップに代表されるのは、①分かり合えない世代間ギャップ、②仕事のスピード化・効率化で中間管理職が消失、③一方的に通告するメールで、コミュニケーション不足。

つまり、仕事の余裕の無さがコミュニケーション不足を生み、コミュニケーション不全が起きてしまっている。


3.広がる心の病

心の病が起こる原因は様々考えられるが、以下の事象との相関関係が高いと想像される。
(1)個人で仕事をする機会が増えた
(2)職場での助け合いが少なくった
(3)職場でコミュニケーション機会の減少


4.コミュニティ意識とコミュニケーション

(1)「人はどのような時に、組織に属しているという実感、つまり組織人としての実感を持つのか?」

(2)組織の2つの側面:①目標を達成するための「機能的」な集団という側面、②精神的なつながりが強い共同体、すなわち「コミュニティ」としての側面

(3)組織の2つの側面の両面において一体感は重要ではある。しかしコミュニティ意識を高めることにつながるコミュニケーションという観点では、場を共有し、深くお互いが関わりながら協働で何かに取り組むことでより深い関係が構築され、コミュニティ意識は強くなる。


5.組織も「断片化」する

(1)情報が断片化してきているだけではなく、組織も断片化してきている。職場作業における「従業員の孤立化」など、人と人と関わりが希薄な仕事の進め方が組織の断片化を生む。

(2)「断片化」しがちな仕事環境で、機能面だけを重視した仕事をひたすら推し進めていった先にあるものは、組織そのものの存続を脅かしかねない。


ではまた明日!
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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day1)「断片化するコミュニケーション」

宮田穣著「組織に効くコミュニケ...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

今日からまたまた新しいシリーズ。

お気に入りの本や、これは皆さんと共有したいという書籍を読み進めて行きます。

そして私の「独断と偏見」でキーポイントを列挙していく、名付けて「書籍読み進めブログ」。

今回読み進める著書は、

宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」

です。

宮田氏はサラリーマンから社会人大学院を経て、学者になられた方です。

ご専門は、コーポレートコミュニケーション、企業広報、行政広報、組織内コミュニケーション論など、とのこと。

私もサラリーマンを早めに卒業して大学院へ進んだので、何となく共感するものがあったこと、そして、本のタイトルが「組織に効くコミュニケーション」。読まずにおられず思わず購入、通読。

著者が、この著書で追究しようとしている大きな題目は「心地よいコミュニケーションとは何か」また「相手との心地よい距離とは何か」。

そしてその答えの一つが「等身大のコミュニケーション」としています。この点については、読み進めていくうちに必ずや出くわすものと思います。


さて今日、Day1のテーマは、

断片化するコミュニケーション

章立て
1.情報の断片化
2.断片化されるもの、されないもの
3.失われていく非言語コミュニケーション


1.情報の断片化

(1)テレビの登場によるマス・メディアの普及に加えて、その後の1990年代中頃から始まる「インターネット」の拡大が、情報の洪水、そして断片化を生んだ。

(2)一人一人の個人が情報を取り扱うことが容易になり、個人が発信・受信する情報が量・質とともに拡大、いわゆる情報爆発が起こった。

(3)2つの情報の「断片化」

①個人であれ組織であれ、送り手の元を離れてしまえば、その情報はコピーされ、加工され、編集され、様々な形に変えられ、様々な受け手に届けられる。

②送り手の出す情報そのものが最初から「断片化」している。

例えば、LINEやTwitter、Instagramでやり取りされる言葉やフレーズ、コメントなどは、情報を「断片化」させることで出来るだけリアルタイムでスピーディーに情報を届けるという特質を持つ。


2.断片化されるもの、されないもの

(1)逆に「断片化」されないものは、言葉に関わるものとしては書籍や手紙、会話や対話。いづれもアナログ的なもの。

(2)一方、言葉に関わらないものでは、身振りや手振り、表情やしぐさ、場の雰囲気など。

(3)会話や対話は、身振りや手振り、場の雰囲気などと切っては切れないもの。つまり「断片化」されないものは、全体と不可分で存在し、一定のまとまりがどこまでも伴っているものだと言える。

(4)従って、現代社会は「断片化」されないものを、どんどん失い続けていくことになってしまう。特に、言葉を使わない(非言語)コミュニケーションが失われてしまうことを意味している。

(5)そしてこの「断片化」を情報の受け手が理解していくためには、全体を埋めていく必要がある、ということ。


3.失われていく非言語コミュニケーション

(1)非言語コミュニケーションは、相手との対面でいる時に多く行われるため、一緒にいる機会があまりない相手とは成立しずらいコミュニケーションである。

(2)また非言語コミュニケーションは「経験的」に身に付け、磨かれるものである。

(3)インターネットでのコミュニケーションが日常化すると、結果的に対面のコミュニケーション機会が減少する。

同時に、非言語コミュニケーションを体得する機会も減少してしまう。

(4)情報の断片化はある意味で膨大な情報を何とか取り扱おうとする工夫である一方、物事の理解の「単純化」を進めてしまう。

(5)日常生活すべてにわたって「単純化」された思考に基づく、紋切り型の言葉が拡散する社会。

スマホで頻繁に交わされる「断片化」な言葉に、安らぎや心地よさは入り込むことが出来るのだろうか?

ではまた明日!
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中小企業が「SDGs」をどう活用するか?

中小企業が「SDGs」をどう活...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

先般、参加したセミナーで興味深いお話をお聞きしたので、今日はこの場で共有をしたいと思います。

内容は最近メディアで目にする、耳にする「SDGs」ですが、テーマは

中小企業が「SDGs」をどう活用するか?

実は中小企業診断士として私は、中小企業を応援するミッションを持っています。そのような私の視点も交えながら、少し綴っていきたいと考えております。

章立て
1.SDGsとは?
2.実はこれは、ビジネスチャンス!
3.中小企業としてどう取り組むのか?


1.SDGsとは?

既に各種websiteやその他のメディアなどにて、多くの解説がなされているので、今さらここで「SDGs」の詳しい説明は省かせて頂きます。

が、一言で説明すると、

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」 の略称で、全ての国連加盟国が2030年までの達成を目指す、貧困や教育、環境などの17分野にわたる目標のこと。

つまり、国連が掲げた、地球規模で取り組んでいる達成目標です。

17分野の詳細は別の情報ソースをご参照頂きたいですが、因みに目標への達成・進捗度合いに関しては、

日本は立ち遅れている!

特に17分野の内、下記の4分野で送れているとのこと。

5  ジェンダー平等を実現しよう
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
17 パートナーシップで目標を達成しよう

そうだよね!という声が、あちらこちらから聞こえてくるように感じます。


2.実はこれは、ビジネスチャンス!

この17分野の目標を企業として、どう捉えるか? 特に中小企業としてこれをどう対応するのか?

ここから本論です。

- そんなこと言ったって無理だよ!

- 国連が決めたのだから仕方が無い。難しいけど達成しなきゃならないでしょ!

- そうか、これからは17分野のことを重視する世の中になる。これを念頭に色々な取り組みや方向性を検討するのがいいんだ!


上記はどれも想定される反応ですが、皆さんご自身はいかがでしょうか?

因みにこの「SDGs」は単なる努力目標ではありません。地球に住む我々にとっては「必達事項」と捉えるべき内容です。

つまり、裏を返すと、

取り組まない企業は存在できなくなる。

そして中小企業も例外ではない!


3.中小企業としてどう取り組むのか?

では実際問題として、どう取り組んだら良いのか?

ここで、最も卑近な例を考えてみてください。

皆さんは「コロナウィルス」の感染リスクに、企業として現在、どのように対応していますでしょうか?

目に見えないほど小さいウィルスに翻弄されている我々ですが、何とか知恵を絞って、手探りではありますが、対応している。

困った、困った。無理無理、では前に進めません。

つまり、この良い意味での環境変化を逆手に取って、考え方を変えたり、新しい取り組みをしてみる。

この発想が重要。

そして、ネガティブな面ではなく、ポジティブな面に焦点を当てて、知恵を絞る、工夫する、考えを巡らせる。

中小企業は規模は小さいものの、機動力がある。そして、人数が少ないので採算レベルが大企業に比べて低いはず。

このような逆転の発想で、イノベーションを起こすことは出来るはずです。事実、発想の転換で新しい商品やサービスを創発している中小企業は多いです。

そして達成時期に設定されている2030年を見据えて、この機会に自社の「10年後のありたい姿」を、SDGsの17分野に基づいて描いてみる。

ぜひ、こんな取り組みから始めたいですね!


ではまた明日!
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